今朝の日本経済新聞の朝刊に(2017/06/20付)、みずほ銀行のiDeCo手数料0円プランの一面広告があり、かなり目を引きました。手数料0円プランの内容は、2つの条件(条件A、条件B)のうち、どちらかを満たすと、毎月かかる「運営管理手数料」が0円になる、というものです。(条件を満たさない場合は255円かかります)
条件B:次の3つを満たすこと
① 掛金(月額)が1万円以上
② iDeCo専用WEBサイトでメールアドレスを登録
③ 「SMART FOLIO<DC>」で目標金額を設定
「SMART FOLIO<DC>」とは、『賢く(スマートに)、リスク分散した資産構成(ポートフォリオ)を提案』してくれる「運用診断サポートツール」のこと。
このツールを使うと、iDeCoの加入者専用サイトで「ゴール(目標資産額)と拠出額をふまえたポートフォリオを提示」してくれたり、「保有する資産の運用状況のポイントを一覧で表示」してくれるんだそうですよ。
みずほ銀行でiDeCo口座を持っていないと利用できないツールなので、残念ながら実際に体験できませんでしたが、「ゴール(目標資産額)の達成に向けニーズをふまえたポートフォリオ案を作成」してくれるのには興味がわきました。
資産形成を始めるにあたりまずゴールを設定するという大切な視点を、このように金融機関が提示するのはなかなかないため良いですねー!
また、みずほ銀行のホームページには【運用コスト(信託報酬)も業界最低水準】とあります。
信託報酬(※1)の業界平均が0.97%(年率)であるのに対し、みずほ銀行(※2)は0.24%(年率)とたしかに低めですね。
(※1)全DC専用ファンド(除くバランス型)信託報酬の数値をもとに算出した平均値。2017年3月末時点。:みずほ総合研究所調べ
(※2)みずほ個人型プランのバランス型を除く全ファンドの平均値(小数点第三位以下を四捨五入)。
信託報酬は、積もり積もって将来の年金額に影響するコストなので、信託報酬の低いファンドが多いラインナップかどうかも、運営管理機関を選ぶうえで、大切なチェックポイントです。
ところが、新聞広告の下段をよく見ると、手数料0円プランに、気になる但し書きが…。
『運営管理手数料0円の適用については、2018年4月27日までにみずほ銀行で申込書類に不備がないことなどを確認できたお客様が対象』
『申し込み件数には上限があり、上限に達する見込みとなった場合にはお申し込みの受付を中止する』
どーゆーこと?
みずほ銀行の担当部署に、問い合わせてみたところ
・現段階で具体的な申込件数の上限を設けているわけではない
・あまりにも申し込みが多くなるようだと、0円プランの新規申し込みは受付終了になる可能性がある
・条件を満たし、0円プランが適用された加入者は、その後も条件を満たしていれば、継続的に0円が適用される
との回答でした。
つまり、期間を設けたキャンペーンではないものの、みずほ銀行でiDeCoの加入を検討している人は、早めに申し込みをした方がいいかもしれない、ということのようです。
今回、みずほ銀行が条件付きとはいえ運営管理手数料0円プランをスタートしたことは、先行して運営管理手数料を完全無料化してきたネット系金融機関である、SBI証券、楽天証券と、対面でも相談できる銀行(しかもメガバンク)が、肩を並べる水準になってきたことを意味します。
このように、SBI証券や楽天証券のように完全無料化とまではいかなくても、一定の条件をつけて運営管理手数料を無料とする金融機関(りそな銀行やスルガ銀行(※)など)が、次々出てきています。
(※)6月22日追記:スルガ銀行ですが、運営管理手数料を有料にするとの報道がありました。現行の運営管理手数料0円は2017年9月29日受付分までです。別途コラムにてお届けします。
気になる金融機関がある人は、一度、料金体系をチェックしてみるといいですね。
iDeCoの手数料は、運営管理手数料のほかに、以下のコストがかかります。運営管理手数料以外は無料の対象ではありませんので、ご注意ください。
★2017年6月20日現在の情報です