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【介護施設の費用】具体的な事例で徹底解説!月額料金の内訳からよくある疑問まで


鈴木です。数年前から怪しかった実母の認知症が急激に悪化しつつあり、今、まさに介護施設探しを始めております。色々な疑問はありますが、その中でも特に

「親の介護で施設を検討中だけど、費用が一体いくらかかるのか不安…」
「料金表を見ても、実際に毎月支払う金額のイメージがわかない」

といった費用面に関する悩みは尽きないものではないでしょうか。

先日の風スナにご参加下さった方の中に、介護事業を展開する「HITOWAグループ」さんの方がいらっしゃったので、そんな話をしていたら、介護施設の費用実例データをまとめて下さいました!有難うございます♪

今回は、介護施設の費用について、そのデータを基に、費用の内訳から具体的な事例、よくある質問までみていきます。

介護施設の費用は2種類!「月額利用料」と「その他の費用」

介護施設の費用は大きく2つの要素で成り立っており、以下の2つに大別できます。

① 月額利用料:家賃や管理費、食費など、毎月定額でかかる基本的な費用。
② その他の費用:介護サービス費の自己負担分や、個人の状況に応じてかかる変動的な費用。

同じ施設に入居しても、要介護度や利用するサービスによって「②その他の費用」が人により変わるため、毎月の支払総額は利用者ごとに異なります。

月額利用料の内訳と相場

月額利用料とは、施設の基本的なサービスをカバーする費用のことです。
主に「家賃」「管理費」「食費」で構成され、施設の立地や設備、サービス内容によって料金は様々です。

都心部の新しい施設は高くなる傾向があり、郊外の施設だと比較的安価な場合があります。同じ施設でも、「入居金0円」で家賃が高いプランと、「入居金〇〇万円」と高いけれど家賃が抑えられているプランがあるケースがあります。入居金は、5年とか10年など償却期間が決まっており、その前に退去した場合、残りについて返還される施設もあります。施設によっては、入居後すぐに一定割合が償却される「初期償却」というルールを設けている場合があります。契約前に「償却期間」と「初期償却の有無・割合」は必ず確認しましょう。

ちなみにHITOWA社が運営する介護付き有料老人ホーム「イリーゼ」では「入居金0円」のプランを選ぶ方が多いようです。

どんな施設を選ぶ?

介護施設には、民間施設や公的施設など様々な種類があります。

民間施設(有料老人ホームなど):HITOWA社が運営するのは、このタイプです。費用は公的施設より高めですが、施設数が多く、利用者の希望や身体状況に合わせた多様な選択肢から選べます。入居率が高い施設でも、全く空きがないということは少ないようです。

公的施設(特別養護老人ホーム・グループホームなど):費用が安いのが最大のメリットですが、入居待ちが非常に長く、要介護度が高い方でないと入居が難しいという側面もあります。

最終的には、利用者の「身体の状況」「希望する生活」「資金面の余力」などを総合的に考えて選ぶことになります。

その他の費用はどれくらい?

では次に、変動費である「その他の費用」について、HITOWA社の具体的な事例を見ていきましょう。 「その他の費用」には、以下のような項目が含まれます。

介護自己負担項目
・医療関連費(訪問診療、薬代など)
・消耗品費(おむつ、口腔ケア用品など)
・生活関連費(理美容、個別の洗濯サービスなど)
・嗜好品費(イベント食、レクリエーション費用など)

月額利用料が同じでも、総額はこんなに違う!

以下の3つの事例は、すべて月額利用料20万円の施設に入居した場合の事例です。その他の費用が高いか低いかによって、最終的な支払額がどう変わるのかがよく分かります。

【事例1】要介護1の男性

月額利用料:200,000円
介護自己負担:37,690円
生活関連・嗜好品など:6,900円

合計:244,590円(その他、訪問診療・薬代として約10,000円。おやつ代などは別途)

【事例2】要介護3の女性

月額利用料:200,000円
介護自己負担:23,459円
医療関連・消耗品・生活関連など:15,170円

合計:238,629円(食事を自室でとる「配下膳」など、個別の希望に応じたサービスも利用)

【事例3】要介護5の女性

月額利用料:200,000円
介護自己負担:83,915円
生活関連・嗜好品など:3,900円

合計:287,815円

この費用はあくまで事例であり、すべてのケースについて、要介護1より3の方が費用が低く済むという話ではありません。月額利用料が同じでも、要介護度や利用するサービスによって、月々の支払総額に5万円以上の差が出ることがあるということをお伝えしたかったのでした。

介護施設の費用【よくある疑問 Q&A】

最後に、費用に関してよく寄せられる質問について、HITOWA社の坂本さんに色々と教えてもらいました。

Q1. 医療費は毎月だいたいどれくらいかかるの?

A. HITOWA社によれば、医療費は施設の管轄外のため概算ですが、1割負担の場合、以下のような金額が目安です。
医療費約7,000円(月2回の訪問診療、処方箋、夜間急変時対応など)
処方薬約2,300円~3,800円(下剤、降圧剤など)

薬の種類が増えても、費用の幅は1,500円程度と、今のところはそれほど心配する必要はないかもしれません。ただし、今後国の政策で自己負担割合が上がると、この金額も増える可能性があります。

Q2. 要介護度が重くなると、費用は必ず高くなるの?

A. 一概にそうとは言えません。下のグラフは、要介護度別の月額費用の平均を示したものです。【要介護度別の月額費用(自己負担額)の合計】
要支援1:241,313円
要支援2:252,894円
要介護1:263,094円
要介護2:267,752円
要介護3:277,962円
要介護4:282,822円
要介護5:280,722円

このデータを見ると、要介護4までは介護レベルが上がるにつれ費用も高くなっていますが、要介護5の費用(280,722円)は、要介護4(282,822円)よりもわずかに安くなっていることが分かります

これは、要介護度が非常に高くなると、外出を伴うイベントやレクリエーションへの参加(「嗜好品」費にあたる部分)が減るなど、活動内容の変化によって一部の費用が抑えられることがあると考えられるためです。

結論として、「介護自己負担」そのものは要介護度が上がるほど高くなりますが、生活費などを含めた支払総額で見た場合、必ずしも上がり続けるとは限らないと言えます。

Q3. 親が入居を嫌がっています。どう説得すればいいですか?

A. これは非常に多くの方が悩む、切実な問題です。
HITOWA社によると、「これ、という汎用的な方法はないのが実情です」とのこと。本人の気持ちを尊重したい一方、安全な生活のためには入居が必要なケースもあり、家族の悩みは深まるばかりですね。

そこで、抵抗感を和らげるために試せるアプローチをいくつか紹介します。

施設見学に一緒に行く

言葉で説明されるよりも、実際の施設の明るい雰囲気や、楽しそうに過ごす入居者の様子を見ることで、本人のイメージが大きく変わることがあります。

体験入居を利用する

施設によっては、最大1週間程度の「お試し生活」が可能です 。本格的な入居の前に、施設の生活を体験してもらうのは有効な手段です。

施設の日常を伝える

無理に説得するのではなく、施設のウェブサイトやブログなどで紹介されている日々の食事やレクリエーションの様子を時々見てもらい、少しずつ介護施設への心理的なハードルを下げていくのも一つの方法です。

本人が納得しないまま入居に至るケースも一定数あるのが現実ですが、まずは本人が安心できる材料を一つひとつ集めていくことが大切です。

ちなみに私の母は、施設の話をすると急激に怒りだし、「入るくらいなら死ぬ」といいます苦笑
そんな話を専門の方に相談したところ、「旅行に一緒に行こう」といって誘うといいよと言われました。その方法で何度か連れていくうちに、「なんだかここは居心地がいい」と感じるようになり、拒否しなくなる人もいるそうですよ。

Q4. 費用を安く抑える方法はありますか?

A. 有効な方法と考え方、注意点を紹介します。

公的施設を検討する

特別養護老人ホームなどは費用が安いですが、入居待ちが長いことが多いため、早めに申し込みをしつつ民間施設を探すのが現実的です。

多床室(相部屋)を選ぶ

個室にこだわらなければ、居住費をかなり抑えることができます。

負担軽減制度を確認・申請する

所得や資産が一定以下の方向けに、居住費や食費の負担を軽減する「特定入所者介護サービス費」や、1ヶ月の自己負担額に上限を設ける「高額介護サービス費」などがあります。これらは市区町村に申請しないと適用されません。ケアマネジャーや地域包括支援センターに必ず相談しましょう。

世帯分離を検討する

住民票の世帯を分けることで、自己負担額の算定基準が変わり費用が安くなる場合があります。ただし、国民健康保険料など他の負担に影響が出る可能性もあるため、実行する前に必ず役所の窓口でシミュレーションをしてもらってください。

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今回は、介護施設の費用について、HITOWA社の実際の資料を基に、費用の内訳から具体的な事例、よくある質問までご紹介しました。身近な人や家族の介護施設検討の参考になれば幸いです。リアルに施設探しをしている私にとっても、とても参考になりました。また、私の母についての事例も、当サイトにてシェアしていきますね!

本記事にてご協力いただいたHITOWA社さんの提供されている事業内容はこちらです。HITOWAさんは「おそうじ本舗」がとても有名なので存じていましたが、今回、介護事業にもとても力を入れていることを知りました!ご協力有難うございました!

☆2025年8月5日現在の情報です
(執筆:鈴木さや子
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