ドルコスト平均法とは、値動きのある投資先に一定額ずつ投資することで、価格の高い時には少なく、価格の安い時には多く買い付けができるので、「平均購入単価が低くならされる」手法のこと。
投資先の価格が一時的に下がっても、その後に価格が回復すれば、安い時に多く買えた効果で大きなリターンを期待できるので、つみたて投資のメリットのひとつと言われています。
では、ドルコスト平均法の「平均購入単価が低くならされる」とは、具体的にどういうことなのでしょうか。シミュレーションで見てみましょう。
ここでは、ある投資信託に毎月10,000円のつみたて投資をし、5ヶ月間の値動きによる平均購入単価がいくらになるかを試算します。
※投資信託には基準価額(投資信託の値段)があり「投資金額=基準価額×口数」となります
たとえば、5ヶ月間の基準価額(1万口当たり)の推移が
1ヶ月目:10,000円
2ヶ月目:12,000円
3ヶ月目:6,000円
4ヶ月目:14,000円
5ヶ月目:9,000円
だったとします。
すると、毎月の10,000円のつみたて額で買える口数は(つみたて額÷基準価額=買える口数)
1ヶ月目:10,000円÷10,000円=10,000口
2ヶ月目:10,000円÷12,000円=8,334口
3ヶ月目:10,000円÷6,000円=16,667口
4ヶ月目:10,000円÷14,000円=7,143口
5ヶ月目:10,000円÷9,000円=11,112口
となります。
これを、下図で口数に注目して見てみると…
基準価額の高い時は少なく、安い時は多く買えていることがわかります。

5ヶ月間のつみたて合計額は 50,000円。
5ヶ月間で買えた口数は 53,256口(=10,000口+8,334口+16,667口+7,143口+11,112口)です。
では、5ヶ月間の平均購入単価がいくらになったか、買えた口数(53,256口)の1万口あたりの値段で計算してみましょう。
50,000円÷53,256口=9,389円(四捨五入)
平均購入単価は 9,389円です。
一方、5ヶ月間の投資信託の値段を単純に平均すると?
(10,000円+12,000円+6,000円+14,000円+9,000円)÷5ヶ月=10,200円
単純平均した価格は 10,200円です。
どうでしょう。
一定金額でつみたて投資した場合の価格は、単純に平均した価格より低くなりましたね。これが、ドルコスト平均法の効果です。
とはいえ、あくまで一定金額でのつみたて投資で得られる効果は、
「高値づかみのリスクを減らせる」
「価格が下がってもハラハラせずに済む」こと。
投資を長く続ける上で、心理的負担の軽減はとても重要です。
また、『ドルコスト平均法を使えば、一括投資よりもオトクだ!とか、損しづらい』と考えている方がいますが、それは違います。たとえば、以下のようなデメリットもあるんです。
・価格が下がり続け、回復しないまま売却した場合は、つみたて投資であっても損失を防ぐのは難しいです。
・価格が上がり続ける場合は、最初にまとめて買った方が安く買えるため、コツコツ買うドルコスト平均法の方が最終的な利益は少なくなります。
・投資チャンスと思われる底値のときにも、あらかじめ決めた一定額でしか買えないため、チャンスを逃す『機会損失』につながる側面もあります。
ドルコスト平均法は決して万能ではないことも知っておきましょう。
☆2025年12月24日現在の情報です

