年の初めのお楽しみでもある「お年玉」。お年玉で欲しい物を買ったり、新しいことに挑戦したり、たくさんのワクワクを体験できたのではないでしょうか。
あるいは、お年玉を「取っておきたい」と考えたかもしれませんね。そんな時は、子どもと一緒に子ども名義の銀行口座を作り、未来のためにお金を貯めていく経験をさせてみましょう。
今回は、子ども名義の銀行口座開設についてお伝えします。
※本コラムは、子どもが自分のお金を管理するために銀行口座を開設することを目的としています。教育資金などの目的で、親が子ども名義の銀行口座を作る場合は想定していないのでご了承ください。
<目次>
子ども名義の銀行口座を開設するメリット
お金の使い方・貯め方を学ぶチャンス
子ども名義の銀行口座を作り、大事なお金を少しずつ入金していくなかで、お金の使い方や貯め方をじっくり学べる機会になります。
子どものお金を確実にとっておける
お年玉やお祝い金を、親が預かって管理するケースは多いですよね。しかし、預かっておくと言いながら、どこかに入れたままにしておくと、子どものお金の行方が曖昧になる可能性があります。
子どもは、もらったお金について意外と覚えているものです。預かっていたはずのお金の管理が不十分だと、子どもからの信頼も失いかねません。家計とは別の子ども専用の口座があると便利です。
子ども名義の口座開設は実店舗がおすすめ
銀行によって口座開設条件はさまざまで、年齢制限を設けているところもあります。まずは、口座開設を考えている銀行のWebサイトを確認しましょう。
最近では、スマホやパソコンでお金の管理ができるようになりました。利便性や手数料の安さからも、ネット銀行の口座をお持ちの方も多いでしょう。親権者が代理となり、子ども名義の口座を開設できるネット銀行もあります。
しかし、子どものお金の学びのために銀行口座を開くのであれば、実店舗での手続きをおすすめします。おすすめする理由は次の2つです。
<窓口で子どもの目の前で手続ができるから>
子どもと一緒に窓口に行き、口座開設の手続きをしましょう。子どもにとっては、自分のお金の行方を確認できる安心感とともに、自分の名前がついた口座をもらえて嬉しくなるでしょう。「自分のお金は、この口座に貯めていくんだ!」というお金を貯める意欲にも繋がります。
< 自分の紙通帳を持てるから>
近年、銀行のデジタル化が進み、窓口でもWeb通帳の利用をすすめられるようになりました。また、紙通帳を発行すると手数料がかかる銀行も出てきています。
便利なWeb通帳ではありますが、子どもがインターネットでお金の管理をするのはとてもハードルが高いです。手数料のかからない銀行で、紙通帳を発行するとよいでしょう。
紙通帳があれば、手軽に過去の取引をさかのぼれます。「何歳の時のお年玉」など思い出を振り返りながら、少し先の夢のためにお金が貯まっていくワクワクを実感しやすくなるでしょう。
Web通帳の場合は、取引後の残高だけでなく、入出金のたびにインターネットバンキングにログインをして親子でお金の動きを確認しましょう。定期的に入出金明細の画面をプリントアウトしたり、紙通帳の代わりに銀行用のお小遣い帳をつけておくと、いつでも確認することが出来ます。
今後の銀行のデジタル化に備えて、紙通帳を持つ場合でも、インターネットバンキングの手続きは必須です。将来、子ども自身が自分で管理できるように、親子で使い方に慣れていきましょう。紙通帳や印鑑の管理だけでなく、大事な自分の資産を守るための安全なインターネットの使い方も同時に身に付けていけるとよいですね。
子ども名義の口座開設方法
銀行窓口で子ども名義の口座を開設する一般的な方法をご紹介します。詳細は、開設予定の銀行に問い合わせるなどして、ご確認ください。
口座開設に必要な書類を用意する
① 子どもの本人確認書類
子どもの本人確認書類として、マイナンバーカードやパスポートなどの顔写真つきなら1点、顔写真なしの場合は2点以上の提示が必要です。筆者は、子どもの健康保険証と母子健康手帳の2点を用意しました。
② 親権者の本人確認書類
子どもだけで口座開設できない年齢の場合は、口座の管理をするのは親権者です。ですから、子どもと親権者の関係を示す書類(姓と住所が一致しているなど)が必要です。筆者は、運転免許証を提示しました。
③ 子どもの印鑑
スタンプ式の印鑑でなく、朱肉を使用するタイプの印鑑が必要です。筆者は、子どもが大きくなってからも使えるように、下の名前の印鑑を用意しました。
窓口で口座開設する
必要書類を準備し、子どもと一緒に銀行窓口に行ってみましょう。事前に窓口の日時指定予約ができる金融機関もあります。小さい子どもと行く場合でも、事前予約をしておけば長時間待たずに済みます。
窓口での説明は、子どもには少し難しいかもしれませんが、親子で一緒に聞くようにしましょう。手続きの緊張感を味わうことも、子どもにとって大きな学びになるでしょう。
口座開設時に入金する場合は、お金を持参します。紙通帳は、申込当日に受け取れますが、キャッシュカードやインターネットバンキングで使うワンタイムパスワードなどは、後日自宅に郵送されます。
お金の出し入れには手数料がかかることを教えよう
お金の管理に便利な銀行口座も、お金の出し入れには手数料がかかる場合があることを教えましょう。
時間帯やATMの場所によっては、お金を引き出すだけで別のお金がかかること(出金手数料)や、硬貨を入金するときにも枚数によって別のお金がかかること(硬貨入金手数料)などです。
特に子どもは、お小遣いなどで小銭をたくさん持っているので注意が必要です。頑張ってコツコツ貯めた何百枚もの硬貨を自分の口座に入金しただけなのに、入金額よりも手数料の方が高くなってしまうこともあり得るからです。
親子で一緒に手数料に関する情報を集め、利用前には必ず確認するようにしましょう。
近年、新たな手数料を設ける銀行が増えています。たとえば、新規・繰越時の「紙通帳発行手数料」や、数年利用のない口座に対する「未利用口座管理手数料」などです。こういった手数料の情報に親がアンテナを張り、子どもに伝えていけるとよいですね。
子どもが自分名義の銀行口座を持つことは、自分の大事なお金の使い方や貯め方を考えるきっかけになります。お金を貯める実感を持ちながら、未来へのワクワクを育てていけるとよいですね。
★2022年1月27日現在の情報です
(執筆:原田幸子)
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