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【用語解説】新NISAつみたて投資枠とは


つみたて投資枠とは、2024年に始まった新NISA(少額投資非課税制度)において設けられた2つの投資枠のうちの1つで、定期的に少額を積み立てて、長期的な資産形成を目指す人を増やし促進するために設けられました。もう一つの投資枠は「成長投資枠」と言い、買い方も買える商品も、つみたて投資枠より選択肢が多く自由度が高い投資枠です。

つみたて投資枠では、一定の基準を満たした投資信託(一部ETFもある)に対して年間120万円まで投資でき、生涯通じて非課税で運用を続けられます。なお、非課税で投資できる生涯の投資枠は1800万円ですので、すべてつみたて投資枠を使って投資した場合、最短で15年間で投資枠が埋まることとなります。

つみたて投資枠で投資するメリット

つみたて投資枠の最大のメリットは3つあります。

1つ目は、税制優遇を受けられる点です。通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、つみたて投資枠を利用すれば、その利益が非課税となります。

2つ目は少額から始められるため、投資初心者でも気軽にスタートできることです。証券会社によっては月100円などからチャレンジできるので、学生などお金を多く持たない人もまずやってみることが可能です。

3つ目は、つみたて投資枠で買える商品が限定されていることです。現在日本には約6000本の投資信託(ファンド)があり、良いファンド、悪いファンドの見極めはとても難しいものです。ところが、つみたて投資枠で購入できる商品は、長期の積立・分散投資に適した投資信託に限定されており、一定の基準を満たした約290本のファンドのみ販売されているので、(まだ多いですが)選びやすくなっています(2024年6月7日時点293本)。

主な選定基準は以下のとおりです。

・対象資産に株式を含むこと(ETFの場合は投資の対象資産が株式である)
・販売手数料0円(ノーロードファンド)(ETFの場合は販売手数料1.25%以下)
・信託報酬が一定水準以下(下表参照)

投資対象信託報酬(税抜き)の上限
指定インデックスファンド国内資産0.5%以下
海外資産0.75%以下
アクティブファンド・一部のインデックスファンド国内資産1%以下
海外資産1.5%以下

・信託契約期間が無期限または20年以上
・分配頻度が毎月でない
・デリバティブ取引による運用を行っていない(ヘッジ目的の場合等を除く)

これらの基準を満たしている商品しか買うことができないため、つみたて投資枠で投資をすれば、信託報酬が高いファンドや、分配頻度が多すぎるファンドを掴まなくて済むわけです。しかしあくまでコストが低いことや分配頻度が抑えられているため、運用効率が高い商品に限定されているだけで、リスクが低く損しない確率が高いわけではないことには注意しましょう。

もちろんメリットとして、毎月同じ金額を定期的に投資するため時間分散でき「ドルコスト平均法」の効果を得られることも挙げられます。

つみたて投資枠で投資するデメリット

一方、デメリットもあります。少額でコツコツ積み立てるため、大きな利益を早い段階で得ることは難しいでしょう。長期投資を前提としているため、途中で資金が必要になった場合に簡単に引き出すことができない場合があります。また、買える商品が限定されているため、金融機関によっては選択肢がとても少ない場合もあります。

どうしたら始められる?

つみたて投資枠を利用するためには、まず証券会社や銀行でNISA口座を開設する必要があります。なお、もう一つの投資枠「成長投資枠」は銀行のNISA口座では利用できないため要注意です。個別株を買いたい場合は証券会社で開設しましょう。

口座を開設したら、次に積み立てる金額と頻度、運用商品、積立資金の引落方法(証券口座・銀行口座・クレジットカードなど)を決めます。つみたて投資枠では、金融機関にもよりますが毎月1000円程度から毎月10万円まで積み立てできます。将来の目標に合わせて、家計から無理なく積み立てられる金額で始めましょう。商品を決めて買う時に「つみたて投資枠」を選択することで、2つの投資枠のどちらを使うか指定できます。設定が完了すれば、決められた日に自動的に引き落とされて積み立てられるため、手間がかからず投資を続けられるのも良いところです。

 

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