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高成長の新興国に投資すれば、先進国よりふやせるものなの?

「経済成長しているところが、ふやせるもの、なんじゃないかな?」

って思って、投資先を選んでいる人、とても多いと思います。

そんな方に参考になる記事を見つけましたので、ご紹介します。

海外株指数に連動する投資信託を選ぶとしたら「日本を除く先進国株指数」と「新興国株指数」のどっち?
(日本経済新聞2020/06/24付 『5G、AIは大丈夫? 投資の失敗呼ぶ「成長の罠」』より )

世界全体の経済成長の伸びが、運用成果に反映すると仮定すれば、先進国よりも成長の伸びしろが大きそうなのは「新興国」だよね。

と、新興国の株式指数に連動する投資信託を選んでしまいそうだけど、

成長率が高そうだからという理由で選ぶのは、ちょっと待って!

と記事には書かれています。

「今後成長しそうだ」!という期待と、運用成果は、比例するわけではない?

一体どういうことなんでしょうか。

今回は、成長期待が高い「新興国株」への投資について解説します。

国の成長と株価の上昇率は必ずしも一致しない

その国がどのくらい成長しているかを知るには、国内総生産(GDP)をみるのが一般的です。そこで、株価指数を比較した期間の、新興国と先進国のGDPについて、経済産業省のHPで調べてみました。1990年以降、新興国のGDPは先進国をほぼ上回っています。

成長の高い方が投資対象として魅力的!投資すれば資産がふえそう!と思っちゃいますよね。

では、肝心の株価はどうだったのでしょうか。

この記事で紹介されていた、先進国と新興国の株価指数の上昇率の比較をみると、

過去10年間では、株価指数の上昇率は先進国のほうが高く、
過去20年でみると、新興国のほうが株価指数の上昇率が高い、
そして、過去30年では、先進国のほうが高い。

そう、先進国と新興国の株価指数上昇の優劣は、時期によっているのです。

不思議ですよね。どうしてGDPでは上回るのに、株価指数では先進国に勝ち続けられないのでしょうか。

その理由はわたしはこう考えています。

・新興国に進出し事業展開する先進国のグローバル企業が、新興国の経済成長を企業利益としてゲットした分は、先進国企業の株価に反映。

・リーマンショック、欧州通貨危機、チャイナショックなどの世界同時株安が起こると、新興国株は先進国株よりも大きく下落。その後の景気回復は、まず先進国から起こり、その後新興国の回復となるため、株価の回復も遅れを取りやすい。

だから、国の成長と株価の上昇率は必ずしも一致しないんだと思うんです。

ならば、新興国に進出するようなグローバル企業が含まれる「先進国株」に投資して、間接的に新興国の経済成長の「うまみ」もゲットしたほうがよいかもしれません。

「新興国株」に投資する投資信託は、選ばない方がいいの?

「でも、やっぱり長い目で見たら「新興国株」のポテンシャルに魅力を感じる!」と考えるなら、「新興国株」だけに資金を集中させず、「先進国株」や債券などの値動きの異なる資産と、組み合わせるのがよいように思います。

なぜなら、投資信託による資産形成は、いかに長く運用を続けられるかがキモだからです。

株式を組み入れた運用は、景気のいいとき悪い時の運用成果のアップダウンはそこそこ大きく、ヘコんでしまった運用成果が回復するまでの「ガマンの期間」は避けられません。

そのガマンの期間を乗り越えて続けてこそ、運用の果実が得られる可能性があることは、過去のデータからも言えることです。

だとしたら、なるべく運用成果のアップダウンが小さい方が、心折れずに投資を続けやすいのでは?と考えます。

参考までに、「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」の目論見書に掲載されている、代表的な資産クラスの騰落率を見てみましょう。

騰落率とは… 一定期間の中でどれくらい変化したかを表す値

先進国株(MSCIコクサイ・インデックス 配当込み)と、新興国株(MSCIエマージング・マーケット・ インデックス配当込み)の、2014年11月末~2019年10月末までの年間騰落率は、

・先進国株
最大値:34.1%
最小値:-17.5%
平均値:9.3%

・新興国株
最大値:37.2%
最小値:-27.4%
平均値:5.8%

あくまでも、参照期間内のデータではありますが、先進国株よりも新興国株のほうが、年間の騰落率の振れ幅が大きい傾向にあることが伺えます。つまり、リスクが大きいということです。

10年、20年先の成長を期待する「新興国株」への投資は、これらのことを参考に検討してみてはいかがでしょうか。

★2020年7月6日現在の情報です
(執筆 冨田 仁美

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