突然ですが、クイズです。
Q:バブル期の1990年から日経平均株価連動投信に月1万円投資した。先月(2017年8月)までの投資額は332万円。今の評価額は?
①総投資額を上回る
②総投資額と同じ
③総投資額を下回る
正解は①です。
この設問は、日本経済新聞の「何でもランキング」(2017/09/02付け)に、お金にまつわる基礎知識クイズとして掲載されていたもので、正答率は33.9%。
全国の20~60代の男女1000人を対象とした調査で、一般的な感覚としては「減っているんじゃない?」「トントンくらいでは?」と思った人が多かったことになります。
そこで、前職の銀行時代の女子仲間と食事をしていた時に、この記事を話題にしてみたんです。
正解を伝えると、
「えーーーーー(疑)」
実は、わたしもこの検証を「ほんとに?」と疑ったので、イタズラ心で聞いてみたのですが、思った通りのリアクションでした。投資信託の販売経験がある者でも、案外知らないのです。
クイズの解説には、具体的な評価額がなかったので、同様の期間で検証した別記事のデータを参考にします。(出所:日本経済新聞 夕刊 よく分かる「つみたてNISA」⑤ 2017/09/05付け)
・日経平均株価の推移:38,915円(1989年末)→7,568円(2009年2月末)→19,114円(2016年末)
・積立額合計:325万円
・評価額:約442万円(2016年末時点)
試算期間の運用収益は約117万円。
1989年末の日経平均株価は38,915円、今は20,000円弱と当時の約半値にもかかわらず、十分な運用成果です。
毎月一定額を投資すると、価格の高い時には少しだけ、安い時にはたくさん買付が出来るので、株価が高い時に積立投資を始めた場合でも運用成果がプラスになる場合があるという検証結果です。
あくまでも試算ではありますが、積立額合計が3~4割もプラスになったのは驚き。
でもこの成果は、
・運用期間中にマイナスの評価額の時があっても、コツコツ積立投資を継続
・積立てる投資対象が、途中さえない期間があっても、将来値上がりする
が条件です。
「株価が安くなった時はたくさん買えるんだから、下落はウエルカム!」
と、株価の下落を楽しめているうちはいいのですが、実際に株価の低迷が1年、2年…と思ったよりも長く続くと、徐々に不安になるかもしれません。
すると、積み立てをストップしたり、現金化して評価損を確定してしまうことも考えられます。
でも、今回ご紹介したような事例を知っておけば、「このまま続けて様子を見よう」という選択肢が加わるかもしれませんね。
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★2017年9月11日現在の情報です
(執筆 冨田仁美)