前回の記事では、身近な人の介護に備えて知っておきたいことをテーマに「介護保険で受けられる介護サービスの種類と特徴」をご紹介しました。
この記事では、介護サービスを受ける際に必要となる「ケアプランの作成のポイント」について詳しくお伝えします。
ケアプラン作成のポイント
介護サービスの利用する際には、どのようなサービスを、いつ、どの程度、利用するかをまとめた計画書(ケアプラン)が必要です。
ケアプランは要介護度に応じて、地域包括支援センターの主任ケアマネージャーや保健師、社会福祉士などの専門職、あるいは市区町村から指定を受けた居宅介護支援事業所のケアマネージャーが、利用する方の心身の状態や生活環境を考慮して提案し、作成してくれます。
ケアプランはあくまで利用者ご本人のためのものです。ケアマネージャーにすべてを任せきりにするのではなく、ご本人やご家族が積極的に関わることが大切です。そのためにも、次のようなポイントを意識しておきましょう。
困りごとは具体的に伝えましょう
日常生活で不便に感じていることや不安なことをできるだけ詳しく、サポートしてほしいことを具体的に伝えましょう。
たとえば、「料理はできるが、重い荷物が運べないので買物を手伝ってほしい」「お風呂での転倒が心配なので支援してほしい」など、お願いしたいことを明確にして、今ひとりでできることは維持できるような環境を作ることが大事です。
家族も面談に参加しましょう
ケアマネージャーとの面談は、ご家族も同席し、ご家族から見た様子を伝えましょう。ご本人だけで面談をすると、「私は何も困ってないわ」と、他人の前では気丈にふるまうことや、見栄を張ってしまうこともあります。
ご本人が見せない様子をご家族から伝えることで、より的確なプラン作成に役立ちます。
ただし、ご本人の前で「あれができない」「これがダメ」といった言動は、自尊心を傷つける恐れがありますので、気を付けてください。
完成したケアプランを確認しましょう
ケアプランは、ご本人の生活を支える大切な計画書です。提案された内容がご本人の希望や暮らしに合っているか、ご本人やご家族が伝えた要望がきちんと反映されているかを、必ず確認してください。
気になる点があれば遠慮せずケアマネージャーに相談しましょう。納得のいくプランになるよう、積極的に意見を伝えることが大切です。
状況に応じてケアプランを見直しましょう
心身の状態や生活環境が変わったときは、ケアプランも見直すことが大切です。要介護度が変わったときや、ケアマネージャーによる定期的な確認のときだけに限らず、「今のサービスが合っていないかも」と感じたら、いつでも相談しましょう。
たとえば、「リハビリで状態が良くなった」「認知症が進行した」「サービスを利用する回数や曜日を変更したい」「介護する家族の事情が変わった」など、変化のあったときが見直しのタイミングです。
介護サービスは、介護を必要とする方が自宅や施設などで必要なサポートを受けながら、その人らしい暮らしを続けていくための大切な仕組みです。無理なく、ご家族にふさわしい介護のかたちを見つけられるよう、少しずつ準備をしておきましょう。
★2025年6月30日現在の情報です
(執筆:世古瑞智子 監修:張替 愛)
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