個人型確定拠出年金『iDeco』。来年からほとんどの現役世代が加入できるとあって、興味をもち、情報収集を始めた方も多くいらっしゃることと思います。
ところが、情報収集を始めたものの、見たこともない用語や意味の分からない数字があふれていて、戸惑いませんか?
そこで、このブログでは、用語の解説と、見るべきポイントについて紹介しています!
今回は、投資信託の『基準価額』という言葉について解説しますね。
基準価額とは、ひとことで言うと、投資信託の「ねだん」(時価)です。
ファンドに組み入れられている全ての資産(株式や債券など)を時価評価し、投資している株式や債券から出た利息や配当を加え、信託報酬などの必要費用は差し引いて、毎日「純資産総額」を算出します。
この純資産総額を、ファンド全体の口数で割った1口当たりの価額のことを「基準価額」と言います。
1口=1円のファンドは1万口当たりの価額、そして、1口=1万円のファンドは1口当たりの価額で表記されています。
この基準価額、ファンドによって、高かったり安かったりまちまちですよね。
基準価額が高いと「運用がうまいのかな?」「いいファンド?」
基準価額が安いと「運用がヘタなのかな?」「よくないファンド?」
と、思ったりしませんか?
答えは…。
どちらともいえない、です。
というのも、基準価額というのは、そのファンドが設定された日(運用がスタートした日)の前日が10,000円と決められているんです。
設定日はファンドによって異なります。
同じ日のものもあれば、1年以上違うものもあるので、設定のタイミングによって基準価額は大きく異なるのです。
たとえば、日経平均株価に連動する投資成果を目指して運用する、同じ投資スタイルのファンドを比べてみましょう。
(数値は2016/10/24現在)
・朝日ライフ日経平均ファンド(設定日:2000/11/30)
基準価額 8,997円(前日比 +25円 +0.28%)
・ニッセイ 日経225インデックスファンド(設定日:2004/01/28)
基準価額 18,717円(前日比 +54円 +0.29%)
どちらも日経平均株価に連動することを目指す投資スタイルながら、設定日が違うことで基準価額が大きく異なっています。
とはいえ、同じ投資スタイルなので、前日比を見てみると、あまり差はないですよね。
基準価額が高いか安いかだけでは、運用成果のよしあしは判断できない、ということがわかりますね。
ファンドの運用成績のよしあしを見極める場合には、基準価額の騰落率や、ファンドのトータルリターンを参考にするとよいでしょう。
トータルリターンは、また次回ご紹介しますね。