9月から連日グングンと上昇した日経平均株価。歴史的な連続上昇日数も加わり、ついに23,500円手前まで上昇しました。その後、株価の過熱感を冷ますように、数日下落が続いています。(2017/11/15現在)
年初の日経平均株価は19,594円(2017/01/04終値)だったので、10か月ほどで約4000円、率にすると一時は約20%の上昇となりました。国内株式に投資をしていた人は「ニンマリ」したことでしょう。
ところが、日常的に株式を売買するような個人投資家の中からは、この9月の上昇期間中にさほど「ニンマリ」の声は聞こえませんでした。なぜでしょう。
個人投資家の多くは、早めに利益確定してしまったり、今に株価が下落するだろうと投資チャンスを待っているうちに、逆にドンドン上がってしまったりと、株式市場の上昇の恩恵を十分にゲットできなかったようなのです。
タイミングを狙って首尾よく投資するのは案外難しいものです。
では「ニンマリ」した人とは、一体だれなのでしょう?
それは、積立投資をしている人です。
積立投資のメリットに「ドルコスト平均法」があります。
ドルコスト平均法とは、値動きのある投資先に一定額ずつ分散投資することで、価格の高い時には少なく、価格の安い時には多く買い付けができるので、平均購入単価が低くならされる手法のこと。投資先の価格が一時的に下落しても、その後価格が回復すれば、安い時に多く取得できた効果が発揮され、大きなリターンが期待できるのです。
あれ?最近の株式市場の様子だと、ドルコストは逆効果なんじゃないの?
購入単価がどんどん高くなっちゃうのでは?
確かにそうです。
投資先の価格が下落することなく上昇を続けると、平均購入単価も徐々に上がります。
でも、投資先の価格がジワジワと長期間上昇したら、ちょっとずつでも購入を継続していれば「買うチャンス」を逃さなかったことになります。
この「ちょっとずつ」が、誰にでも出来て、投資上手になれるコツなんです。
例えば、投資タイミングを待ちながらも、ジワジワ上がっていく株価を眺めていたら、まだまだ上がるような気分になって「エイッ」と、まとまった資金を一括投入した途端、株価が大きく下落⤵。
一時的な下落に、ひゃ~っ!と青ざめるのは投資金額が「まとまっている」ときで、「ちょっとずつ」だったら気がつかないかもしれません。「ちょっとずつ」の購入であれば、仮に投資先の価格が下落しても、全体の資産に与える影響は軽微で済むからです。
そして下落していた投資先がまた上昇に転じるとき、積立投資なら下落した時も継続して「ちょっとずつ」購入しているので、ドルコスト平均法のメリットも相まって投資効果がグンとあがるのです。
一方で、投資タイミングを狙うスタイルだと、ひゃ~っ!と青ざめた経験から慎重になりすぎて、下落した安い価格の時に投資できず、次の上昇のチャンスも掴めないかもしれません。
わたしが株式投資の勉強をしたとき「技術2割、心理8割」と教わりました。
どんなに勉強をしても、実際は心理が大きく影響し学んだ通りには売買できないもの。投資の成功に大きなウエイトを占める「心理」をコントロールするのは容易なことではないということなんです。
でも、それを自然とできちゃうのが、なんと「ちょっとずつ」購入の「積立投資」なのです。
2018年1月からは「つみたてNISA」も始まります。
資産形成の目的に合わせ「iDeCo」や「つみたてNISA」を活用し、「ちょっとずつ」購入で投資上手を目指してみませんか。
★2017年11月18日現在の情報です
(執筆 冨田仁美)
※こちらの記事もおすすめです。