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【最新ニュース】楽天証券が「投信の定期売却サービス」を開始、毎月分配型投信とどう違う?

2019年12月29日より、楽天証券で「投信の定期売却サービス」が始まりました。

「投信の定期売却サービス」とは、保有する投資信託に受取日と受取方法を設定すると、毎月の受取日に売却代金が自動的に受取れるサービス

このサービスを活用すれば、運用を続けながら定期的に資金を受け取れるので、資産形成期間だけでなく資産引き出し期間まで、ずっと長期運用を継続できることに。

老後の生活費を効率よく補完できるようになるサービス、というわけです。

この定期売却サービスは、SBI証券、野村證券、SMBC日興証券、セゾン投信、ありがとう投信でも取り扱いがあります。

ですが、今回は「毎月」「定率」で受け取れるのが業界初!(※)ということで、楽天証券のサービスを取り上げたいと思います。(※)楽天証券ニュースリリースより。

≪定期売却サービス概要≫

取り扱い投資信託のうち
・対象商品:積立可能な投資信託(約2500銘柄)・対象口座:一般口座、特定口座、NISA口座、つみたてNISA口座・受取日:毎月1回、1日~28日より選択・受け取り方法:①金額指定(1,000円以上1円単位)
②定率指定(0.1%以上0.1%単位)
③期間指定(最終受取年月を指定)

(出典:楽天証券ホームページ)

■どんな使い方ができる?

現役時代の資産形成期間中は運用成果を受け取らず、リタイヤ後にそれまで運用してきた投資信託の一部を定期的に受け取ることで、もし老後の生活資金が不足してもその補完ができます。

老後の生活資金といっても、いつまで働き、いくら不足するかは人それぞれ。しかもハッキリとした不足額は、その時になってみないとわからないものです。

定期売却サービスは、保有する投資信託のうち銘柄を指定し設定することが可能で、投資信託を購入するときにあらかじめ受け取り方法を決める必要はありません。

資金が必要となった時に、必要とする方法で売却受け取りが出来るので、その時まで有効に資産運用が可能になります。

■金額指定と定率指定はどう使い分ける?

まず「金額指定」はイメージしやすいですね。いくら引き出したい、といった具体的な金額を指定する方法です。

一方で「定率指定」は少しむずかしく感じるかもしれません。

定率指定とは、引き出す割合、つまり都度運用資産の何%を引き出すかを決める方法です。

運用している資産を定率で引き出すと、率では一定でも「一定額」にはなりません。
なぜなら元となる資産は運用を継続しているため、常に時価が変動しているからです。

なので、同じ1%ずつ受け取る指定でも金額に直すと毎回まちまちになってしまうのです。

えーーーー!そんなの生活費の計画が立てにくい!

と感じる方は「金額指定」を選択してよいと思います。

では、なぜ「定率指定」があるかというと、少し専門的になってしまいますが「定率」のほうが資産寿命を延ばせるからなんです。

「金額指定」は毎回同じ金額を引き出すので、金額を一定にするのに運用資産の時価が高いときには少ない口数を、安いときは多い口数を売却します。

すると、安いときに多く売却された分、その後の時価の回復時に資産の成長力が弱まってしまうのです。

「金額指定」と「定率指定」を使い分けるとしたら、受け取り金額が一定である使い勝手を優先するか、受取金額が変動しても資産寿命を優先するか、自分に合った方を選べばよいと思います。

■定期売却サービスは、毎月分配型投信とどう違う?

最後に、投資信託の「毎月分配型」とはどう違うのかについて触れますね。

これまで運用資産の一部を定期的に受け取りたいニーズに、「毎月分配型」の投資信託が活用されてきました。

でも「定期売却サービス」があれば、毎月分配型の投資信託を保有する必要性は今後薄れると言ってもいいかもしれません。

なぜなら「毎月分配型」は、投資信託の運用会社が運用状況に応じ「分配金」を決めるので、投資している人が毎月必要とする金額とは異なるからです。

つまり「毎月分配型」では老後の生活資金の不足を補う役目としては過不足が生じ、計画的な資産の取り崩しにはなりません。

自分で受け取り開始時期や受け取る金額を決められる「定期売却サービス」とは、似て非なるものなのです。

今のところ「定期売却サービス」を実施しているのは一部の販売会社だけですが、今後すべての販売会社で同様のサービスが受けられるようになれば、より効率的な資産形成が可能になりますね。

ぜひ期待しましょう!

★2019年12月31日現在の情報です
(執筆 冨田 仁美

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