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【2020年度】産休・育休の年は、我が家も「配偶者(特別)控除」で減税できる?

バリバリ働く共働き夫婦でも、産休や育休で収入が減った年は、「配偶者(特別)控除」が使えることがあります。

配偶者(特別)控除による減税額が10万円以上になる人も!

妻か夫の収入が減った家庭は、「我が家も利用できるのか」を確認してみましょう。

この記事では、次のケースを想定し、配偶者(特別)控除の利用条件や減税額の例、申請方法などを紹介します。

妻:産休・育休により収入がダウン
夫:一家の大黒柱で、妻の出産前後もほぼ同じ収入が続いている

妻が大黒柱で夫が長期間育休を取る家庭は、「妻」と「夫」を反対にして読んでください。

収入がいくらなら、配偶者(特別)控除が受けられる?

産休・育休で妻の収入が減り、配偶者(特別)控除を使えれば、夫が支払う所得税や住民税を少なくすることができます。

この制度を使うためには、「収入要件」を満たす必要があります。夫婦とも給与収入だけの場合の条件は、次の通りです。配偶者特別控除は、配偶者控除の収入要件を超えている場合に使えます。

<配偶者(特別)控除が受けられる給与年収>
前提条件:夫の給与年収が1,210万円以下(※)
配偶者控除:妻の給与年収103万円以下
配偶者特別控除:妻の給与年収201万5,999円以下
(※)所得金額調整控除対象となった場合の金額(対象外の場合は給与年収1,195万円以下)

給与年収は、1月1日~12月31日の1年間にもらった金額です。職場からもらう「源泉徴収票」で金額を確かめると良いでしょう。なお、育児休業給付金や出産育児一時金、出産手当金は、ここでは収入に含める必要ありません。

《所得金額調整控除とは》
令和2年の年末調整から登場した制度。23歳未満の子どもがいたり、本人・配偶者・扶養親族が特別障害者の場合にうけられる控除のこと。

<自営業の場合や、給与以外の収入がある場合は?>
自営業による収入や不動産収入など、給与以外の収入がある場合は、「合計所得金額」が次の条件を満たすことで配偶者(特別)控除を適用することができます。
 
前提条件:夫の合計所得金額1,000万円以下
配偶者控除:妻の合計所得金額48万円以下
配偶者特別控除:妻の合計所得金額133万円以下
 
合計所得金額は、「収入-経費」の金額となるのが基本ですが、収入の種類や、経費の金額など、様々な要因により大きく変わります。
自分のケースはどう計算したら良いか分からないときは、お住まいの地域の税務署に相談してみましょう。電話相談もできるので、外出が難しいママでも大丈夫です。

配偶者(特別)控除を使うと、いくら減税になるの?

「我が家も利用できそう!」となったら、次は「でも、いくら減税できるの?」が気になりますよね。減税できる金額はその家庭の収入状況により異なるのですが、このくらい減ることがあるという一例を紹介します。

まず、配偶者(特別)控除で所得税から控除される金額は最高38万円(住民税は最高33万円)です。減税金額は、この控除額に税率をかけた金額が目安になります。

例えば、夫が年収400万円(所得税率5%・住民税率10%の場合)で、控除額が最高だったときの減税額の目安は、所得税と住民税の合計で約5万円となります。

<例:年収400万円(所得税率5%・住民税率10%の場合)>
所得税:控除額38万円×5%=1.9万円
住民税:控除額33万円×10%=3.3万円
合計 5.2万円

夫の収入が高い家庭ほど、所得税率が高く、配偶者(特別)控除を利用したときの効果は高くなります。そのため、なかには所得税と住民税で合計10万円以上減税となる家庭もあります。

ただ、配偶者(特別)控除による控除額は、収入が高い家庭ほど控除額が小さくなる仕組みで、最低1万円~最高38万円となっています。具体的な控除額を知りたい人は、国税庁やお住まいの自治体のホームページなどで確認してくださいね。

<保育料も安くなることが!?>
認可保育園の保育料は、納めている税額をもとに決まるため、配偶者(特別)控除を適用することで、翌年の保育料が安くなることがあります。
 
保育料の料金は自治体ごとで大きく異なりますが、一段階安い階級になった場合、月額1,000円~5,000円くらい負担が減ることがあります。1年間では、約1万円~6万円ほど変わるかもしれないということですね。
夫が会社員なら「年末調整」、自営業なら「確定申告」で申告!

配偶者(特別)控除を適用するためには、年末調整や確定申告で申告する必要があります。

・夫が会社員の場合
10月~12月に行われる年末調整のタイミングで、会社から配布される「給与所得者の配偶者控除等申告書」に記入して提出します。最近はWEB申告の会社もありますね。

この申告書には、妻の合計所得金額(収入から各種控除額を引いた金額)を記載する必要があるので、難しく感じるかもしれません。書き方の説明をよく読み、自信がないときは遠慮せず職場の担当者などに聞きながら書きましょう。

・夫が自営業の場合
翌年の2月~3月に行われる確定申告のときに、提出書類に妻の合計所得金額などを記入して申告します。顧問税理士や管轄地域の税務署に相談しながら提出書類を作成すると良いでしょう。

なお、収入が減った妻ではなく、夫側が申告しなくてはいけない点には注意が必要です。妻が知らないうちに夫が申告手続きを完了させてしまったということがないように、「今年は配偶者(特別)控除が使えそうだから、年末調整(または確定申告)のときは教えてね!」と、打診しておくと安心です。

また、本記事で紹介した収入要件以外にも「配偶者特別控除は夫婦とも利用することはできない」などの細かい要件があります。念のため、利用条件を一通り確認してから申告書類を提出してくださいね。

もしも年末調整や確定申告に間に合わなかった場合は?

もし夫の年末調整が終わってしまっても、翌年2月~3月に確定申告をすれば配偶者(特別)控除を受けることができるので大丈夫です。

もしも確定申告の時期を過ぎてしまっている場合でも、配偶者(特別)控除の還付申告は過去5年(※)までさかのぼれますので、あきらめずに申告しましょう。

ただしその場合、保育料の利用料も過去にさかのぼって安くしてもらうことができるかは、自治体の判断によるそうです。

子育てで忙しい時期かもしれませんが、できるだけ申告期限(原則、翌年3月15日)までに申告するようにしたいですね!

なお、妊娠・出産前後は医療費がかさむため、確定申告で「医療費控除」を受けられることも多いです。医療費の自己負担が10万円を超えてそうな家庭は、配偶者(特別)控除と合わせて、医療費控除の利用も検討すると良いでしょう。

共働き夫婦は、出産を機に収入が減って家計が厳しくなりがちです。ぜひ、支払う税金を上手に減らして、子育てにかけるお金を作ってくださいね!

※2017年以前の配偶者(特別)控除を申告する場合は、当時の税法(妻の給与年収141万円以下までが利用の目安)が適用されます。

★2020年11月24日現在の情報です
(執筆:張替 愛

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