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確定拠出年金の移換は、どうして6ヶ月以内にしないといけないの?

企業型確定拠出年金に加入している人が、転職や退職をすると加入者資格を喪失します。
その場合、退職した日の翌月から6ヶ月以内に移換の手続きが必要になります。

移換(いかん)とは、それまでに積み立てた確定拠出年金の資産を、新たな確定拠出年金に持ち運ぶことをいいます。移管先(※)は、企業型確定拠出年金か個人型確定拠出年金(iDeCo)です。
※ 確定給付企業年金やその他の年金制度に移せる会社もあります

もし手続きをしないまま6ヶ月が経過すると、資産は自動的に売却され、現金化して国民年金基金連合会に移換されます。すると、現金として預けたまま運用もできず、管理コストだけがかかり確実に資産が目減りしてしまいます。

また、自動移換されている期間は、確定拠出年金の加入期間に算入されないので注意が必要です。確定拠出年金の資産は60歳になるまで引き出すことができませんが、60歳になれば誰でも無条件で引き出せるわけではありません。その条件が「通算加入期間」なんです。

通算加入期間によって受取開始可能年齢が異なります。
(※2022年4月施行の法改正により、受給開始年齢の上限が75歳に引き上げられます)

このように自動移換はデメリットばかりなので、手続きはなるべくすみやかに行うのがベストです。

では、iDeCoにスムーズに移換する流れを説明します。

①移換資産と新たな拠出金をどう運用したいか考える
②商品の品揃えやコスト、サポート体制をチェックし、運営管理機関を決める
③加入申込み書類を取り寄せ、iDeCo口座を開設する

iDeCoに移換するには、どの運営管理機関にするかを決めないといけません。そのためには、まず移換資産とこれからの拠出金をどう運用したいかをイメージする必要があります。

なぜなら、iDeCoの運営管理機関は220社あり(2020年10月1日現在)、運用商品の品揃えやコスト、コールセンターや加入後につかう専用サイトのサービス内容がそれぞれに異なるから。これから付き合うことになる運営管理機関に、運用したい商品の品揃えがあることはとても重要です。サポート体制が整っていること、コストが割安であることも大切なチェックポイントです。

ちなみに、iDeCo口座は一つの運営管理機関でしか開設できませんが、変更することはいつでも可能です。ただし、保有する運用商品を現金化したり、手続きにコストや時間もかかるので、運営管理機関は慎重に決めるようにしましょう。

候補となる運営管理機関が決まったら、加入申込み書類を取り寄せます。書類は、加入したい運営管理機関(金融機関)のホームページから無料で郵送請求できます。

※運営管理機関の選び方の参考コラムはこちら

※複数の運営管理機関を比較するのに便利なサイトの紹介コラムはこちら

 

確定拠出年金をiDeCoに移換するときは、限られた時間の中でやることがいっぱいです。

もし移換する資産の運用商品が決められなくても、ひとまず定期預金を指定して移換手続きを済ませてしまいましょう。具体的な運用は、移換を完了させてからゆっくり考えても構いません。商品の変更はスイッチング(運用商品の預け替え)をすれば、いつでも何度でも可能です。

自動移換にならないよう、6カ月以内に移換手続きすることを優先してくださいね。

 

★2020年11月3日現在の情報です
(執筆 冨田仁美

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