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2022年4月から不妊治療の保険適用範囲が拡大!治療費の目安は?抑えるポイントは?

夫婦のうち、5~6組に1組は検査や治療を受けたことがあるともいわれる「不妊治療」。

2022年4月から健康保険の対象となる不妊治療の種類が増え、人工授精や体外受精、男性不妊の手術なども、保険診療で受けられるようになりました!

そこで、すでに治療をしている人も、これから治療をするかもしれない人も知っておきたい「不妊治療でかかる費用の目安」や、「治療費の負担を抑えるお役立ち制度」などを紹介します!

保険適用化後の不妊治療費の目安は?

これまで健康保険の対象外であった人工授精や体外受精、男性不妊の手術などの不妊治療が、2022年4月から保険診療の対象となりました。

これにより、治療費が高額になりやすかった都市部の病院に通う方を中心に、不妊治療費が抑えやすくなりました!

次の表の通り、以前は平均3万円程度必要だった人工受精は、1万円前後で受けられるように。体外受精も、以前は40万~50万円程度かかったところが10万円~20万円前後となり、かなり負担が小さくなったのです。

不妊治療の内容や2022年3月までの費用感については、こちらの記事も参考にしてください。

保険診療にならないケースにご注意!

保険診療となる不妊治療法が増えても、すべての夫婦で治療費の自己負担が減るわけではありません。次のように、保険診療にならないケースもあるためご注意ください!

病院が保険診療に対応していないとき
体外受精などの不妊治療は、すべての病院で保険診療となるわけではありません。健康保険が適用されない「自由診療」のみとなる病院もあるのです。

今回の改定により、これまで自治体からもらうことができた「特定不妊治療助成金」はなくなりました。そのため、自由診療で不妊治療を行うと、そのまま全額が自己負担となってしまいます。

病院を選ぶときは、病院のホームページなどを確認し、保険診療に対応しているかを必ず確認しましょう。

女性の年齢が高いとき
保険適用となる要件として、「年齢制限」と「回数制限」があるため、注意しておく必要があります。

次の表の通り、「女性の年齢は43歳未満であること」「1子あたり最大で通算6回まで」となっています。各制限を超えた場合は、全額自己負担となる自由診療でなければ、治療を受けることができません。

自由診療と併用するとき
治療状況によっては保険診療外の治療も行うことがありますが、自由診療と保険診療を併用すると、本来保険診療である治療についても全額自己負担になってしまうことがあるため、ご注意ください。

保険診療とならない治療であっても、「先進医療」であれば、大きく負担が増えることはありません。なぜなら先進医療に指定されている治療の場合は、先進医療の治療費自体は全額自己負担となりますが、健康保険が適用される治療については保険が適用できるのです。

つまり、保険適用外の治療法を提案されたときは、それが先進医療なのか、それとも先進医療ではない自由診療なのかが大事ということです。自由診療の治療を提案されたら、ここを確認してから始めると安心ですね。

不妊治療の費用を抑えるお役立ち制度

幅広い不妊治療が保険適用となりましたが、体外受精などの治療費が高額なことは変わりありません。そこで、治療費の負担を抑えるときに役立つ制度をご紹介します!

高額療養費制度(付加給付)
「高額療養費制度」は、1カ月の医療費の自己負担額が一定の上限額を超えたとき、上限額を超えた金額が後から戻ってくる制度です。上限額は、70歳未満で年収370万円~770万円程の人なら、約8万円~9万円です。

また、会社員の場合は加入している健康保険独自の「付加給付」があり、医療費の上限額が2万円~3万円程度に設定されていることがあります。付加給付があるかどうか、加入しているの健康保険のホームページなどで確認してみましょう。

高額療養費や付加給付の対象となるのは、“保険診療だけ“です。そのため、費用を抑えたい人は、保険診療かどうかをよく確認することが重要となります。また、もしも不妊治療のために会社を退職すると、付加給付の恩恵が受けられなくなることがある点にも、ご注意くださいね!

医療費控除
「医療費控除」は、1年間の医療費が10万円を超えた年に確定申告することで、所得税や住民税の負担を減らせる制度です。保険診療以外の不妊治療費も対象になる点が魅力です!

例えば年収500万円(所得税率10%)の人が1年で100万円の治療費を負担した場合、概算で合計約18万円分、所得税の還付や住民税の減額が受けられます。

医療費控除は、税金を多く支払っている方や収入が高い方ほど恩恵が大きい制度です。「回数制限を超えたので全額自己負担になるけど、不妊治療を続けたい!」といったときは、医療費控除を活用した後の実際の自己負担金額をイメージしておくと、安心して治療に専念しやすくなるでしょう。

なお、医療費控除の申告には、原則、治療費のレシートを自宅で保管しておく必要があります。治療を始めたら、忘れずにレシートを取っておいてくださいね!

自治体独自の補助制度
お住まいの都道府県や市区町村で、独自に不妊治療費を補助する新たな制度が実施されていることがあります。

例えば、鳥取県では、全額自己負担した治療費は1回30万円、先進医療には1回5万円を上限に補助する制度を始めました。また、広島県や三重県でも先進医療に上限5万円などの助成金を用意しています。

鳥取県 特定不妊治療費助成(令和4年度4月1日以降に治療開始された方)

ほかの自治体でも、保険適用化後の状況に合った新制度が作られる可能性は低くないと予想されます。こまめに最新情報をチェックしてみてくださいね!

不妊治療は、終わりの時期が読めない難しさがあります。安心して治療に専念するためには、家計状況を確認し、不妊治療にいくらお金を使っても生活に支障がないかを確認することが大切です。

できれば、「治療費が比較的安いタイミング法や人工授精まで」「体外受精は保険適用となる上限回数まで」など、不妊治療のゴールを夫婦である程度決めておくと良いですね。

★2022年6月24日現在の情報です
(執筆:張替 愛

 

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