以前のコラムで、成立した年金制度改正法について、内容を解説しました!
その中でも取り上げたこと「すべての会社員がiDeCoに加入できるようになる」日が、2022年10月と差し迫ってきました。
■10月からすべての会社員がiDeCoに加入できるようになります
現在は、会社の規約に定めがないと、会社の確定拠出年金加入者はiDeCoへの加入は認められていません。「もっと非課税でつみたて投資したいのに」「もっと節税したい」といった方は、iDeCoの加入をあきらめていたと思います。
そんな人に朗報です!
現在、勤めている会社で企業型確定拠出年金(以下、企業型DC)に入っていて、iDeCoに入れなかった人が、2022年10月から自由にiDeCoに入れるようになります。
ただし、掛金には一定の上限が定められます。
金融庁HPより転載
iDeCoの掛金上限は、勤め先の企業型DCやDB(確定給付企業年金)によって異なります。
なお、制度改正は段階を踏んでおり、2024年12月の改正で「企業型DC・DBあり」の会社員や「DBのみ(企業型DCなし)」の公務員などは、掛金上限が2万円までに拡大します。
■マッチング拠出制度がある会社の場合も、iDeCo加入とどちらかを選べます
では、会社の確定拠出年金に、自分で上乗せできる「マッチング拠出」制度がある場合はどうなるのでしょうか。
これまでは規約への記載等関係なく、マッチング拠出制度がある会社員は、iDeCo加入は一切認められていませんでした。それが2022年10月より、マッチング拠出をするかiDeCoに加入するかを、選択できる形になります。
勤めている会社の企業型DCのラインナップに、投資したい商品がなかったり、分散投資をするために商品のバリエーションが欲しい人には、iDeCoの加入で選択肢をふやせることになりますね。
どちらを選ぶか考える際、ひとつの決め手となるのが「コスト」です。
iDeCoを選んだ場合は、iDeCoの加入手数料と、運営管理手数料がかかります。マッチング拠出ではかからないコストなので、検討の際は頭に入れておきましょう。
iDeCoを選択した場合でも、将来、マッチング拠出に変更することも可能です。ただし、資産を移す際にiDeCoの運用資産を一旦売却し現金化する必要があります。また、資産を移すための手数料(移換手数料)がかかる運営管理機関もあります。将来、マッチング拠出にする可能性のある人は、iDeCoの運営管理機関選びの際にチェックしておくとよいでしょう。
老後の資金づくりに選択肢が広がったことは歓迎ですね!上手に活用しましょう!
★2022年3月8日現在の情報です
(執筆 冨田仁美)
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