年金制度改正法が5月29日に成立し、すべての会社員がiDeCoに加入できることになりました!
以前のコラムで気になっていた、マッチング拠出できる会社で企業型確定拠出年金に加入している会社員も、2022年10月からiDeCoに加入できることになります。
今回の法改正では、人生100年時代に備え、老後生活を支える公的年金・私的年金の仕組みが見直されました。
公的年金では、
・年金の繰り下げ可能年齢を、現在の70歳から75歳までに延ばす
・パートなどの短時間労働者の厚生年金の適用を広げ、より多くの労働者の保障を充実
・在職老齢年金の基準を緩和し、高齢者の就労を後押しする
となっています。
年金の繰り下げ受給の詳細については、追ってコラムで解説しますね。
■iDeCoに加入できる年齢が拡大
私的年金では、iDeCoと企業型確定拠出年金(以下、企業型DC)の加入可能年齢が引き上げられました。
iDeCoは現在の60歳未満から65歳未満まで、企業型DCは現在の65歳未満から70歳未満まで加入できることに。
ただしiDeCoに65歳未満まで加入できるのは、国民年金に加入している人のみで、全員ではありません。iDeCoの加入資格が、国民年金に加入していることが要件だからです。
未納期間があり65歳まで任意加入できる第1号、第3号の人と、会社員で65歳まで厚生年金に加入し働いている人が対象となります。
■企業型DCとiDeCoが併用できるように
現在、勤めている会社で企業型DCに入っているけれど、iDeCoに入ることは認められていない人が、2022年10月から自由にiDeCoに入れるようになります。
これまでは、従業員が企業型DCに加えてiDeCoに入れるようにするためには、会社において規約変更する必要があったのですが、そのルールが撤廃されたのです。
この場合、企業の掛金とiDeCoの掛金の合計が、企業型DCの掛金の上限を超えないことが条件です。
また前出の、マッチング拠出できる会社で企業型DCに加入している会社員は、マッチング拠出をするかiDeCoに加入するかを、選択できる形になります。
勤めている会社の企業型DCのラインナップに、投資したい商品がなかったり、分散投資をするために商品のバリエーションが欲しい人には、iDeCoの加入で選択肢をふやせることになりますね。
ただし、このケースで注意が必要なのがコストです。
iDeCoの加入手数料と、運営管理手数料(運営管理機関によってはかからないことも)がかかります。マッチング拠出では負担しないコストなので、検討の際は頭に入れておきましょう。
今回ご紹介したiDeCo・企業型DCの改正は、実施時期が2022年からと少し先になりますが、老後の資金づくりに選択肢が広がったことは歓迎ですね!上手に活用しましょう!
★2020年6月8日現在の情報です
(執筆 冨田仁美)
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