前回のコラムで、あまり運用に積極的になれなくてもiDeCoは定期預金でスタートするのもいいんですよ、そしてiDeCoに慣れてきたら運用を検討してみるのもいいですね、とお話をしました。(参考コラム:iDeCoで積立定期!?)
そこで今回は『資産配分をおサイフ全体で考えると「iDeCoの運用も怖くないかも!?」』についてお話します。
突然ですが、いま保有している金融資産全体って把握していますか?
銀行預金にいくら、証券会社にいくら、満期金のある保険がいくらか…。
なぜそんなことを訊くかというと、iDeCoの運用商品を選ぶ時、iDeCoの掛け金のみで考えて「どうしようかなぁ」と悩んでいるケースが多いように思うからなんです。
たとえば、ポートフォリオアドバイスツールを使って、どんな運用スタイルが合っているのか試してみたとします。
~個人型確定拠出年金iDeCoポータル:スタイル別おすすめ投資プラン~
(設定条件:投資知識や経験があまりない、リスクは極力抑え安定性を重視したい、一時的な大きな損失時はしばらく様子を見る)
すると、こんなポートフォリオになったときに
「ふ~ん、毎月の掛け金をこんな割合に分けようかな…」
と考えるのは、ちょっと待って!
まずは、保有している金融資産全体を思い出してみてください。
もし、iDeCo以外のほかの資産のほとんどが預貯金で、投資信託や株式などを保有していない、あるいは少しだけであれば、資産全体で配分を考えて、iDeCoの掛け金は株式や債券などで運用するタイプの投資信託にチャレンジしてみてもいいかもしれません。
なぜなら、こうなっちゃうから。
〈iDeCo加入前の金融資産全体〉
〈iDeCo加入後の金融資産全体〉
あれ?全体では元本確保型がほとんどを占めていますね。これは目指したものと違うと思いませんか?
iDeCoは毎月コツコツ積み立てて、時間をかけて資産を作っていくしくみです。
運用につきものの価格の変動も、毎月一定額をコツコツ投資していくことでならされていく効果が期待できます。
このようにおサイフ全体で資産配分を考えると、iDeCoの商品選びもまた違った目線で考えられるかもしれませんね。
★2017年2月22日現在の情報です
(執筆 冨田仁美)