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投資信託の平均保有期間と長く続けるコツ

先日の日経新聞に「個人が投資信託を保有する期間が長くなってきている」と紹介する記事がありました。
2018年は平均3.4年で前年比0.8年も延び、2008年以来10年ぶりの長さになったそうです。(日本経済新聞 2019/02/17付け)

ちなみに直近の平均保有期間の最短は2013年の1.7年で、それから5年で倍の期間になりました。

その背景には、2018年1月に始まった「つみたてNISA」や2017年1月からすべての現役世代が加入対象となった「iDeCo」などの制度の普及が。

「つみたてNISA」には開始1年で100万を超える口座開設があり、投資信託を長期で保有する投資家層がぐんと広がっています。

また、投資信託を販売する証券会社や銀行などの営業姿勢の変化も要因の一つ。

手数料稼ぎを目的とした短期間の売買を抑えるようになり、投資信託の保有期間がこれまでより長期化しているのです。

とはいえ、まだまだたったの3~4年。
長い人生の資産形成に投資信託を活用するならば10年、20年、30年ともっと長く保有したいところです。

そこで今回は投資信託を長くつづけるコツを、ファンドの運用タイプ、投資の方法から探ってみましょう。

長期投資向きの運用タイプはバランス型ファンド

モーニングスターのHPに関連する記事を見つけました。

投信保有期間一段と伸びる、“長期投資派”注目のタイプは?

記事では、運用タイプで10グループに分けた国内の追加型投資信託の平均保有期間(2018年10月時点)が紹介されています。

最も保有期間が長かった運用タイプは、「バランス型」ファンドで4.6年。
次いで「国際債券型」「国内債券型」「国内REIT型」と続きます。

「国際株式型」は6番目、「国内株式型」は8番目と、バランス型や債券型に比べて株式型は保有期間が短い傾向にあります。

値動きが小さく安定している債券型や、株式や債券やREITなど複数の資産を組み合わせたバランス型のほうが、日々の資産価格の上げ下げがあまり気にならず、じっくり長期で保有できるのかもしれませんね。

バランス型ファンドは、純資産残高の伸びも顕著です。

2013年11月の4兆円程度から2018年11月には7兆5000億円の規模に。国内投信市場におけるシェアも7.97%から14.84%と拡大。

記事によると、バランス型ファンドをアクティブ運用とパッシブ運用に分けると、純資産残高ベースでアクティブ運用が9割以上なんだそうです。

ここで、ちょっと気になることが。
コストにあたる信託報酬です。

2018年11月末時点でパッシブの信託報酬等(税込)の平均は0.56%と、アクティブ平均の1.38%の半分以下とのこと。

せっかく長期投資でじっくり保有しているバランスファンドが、信託報酬の高いアクティブ型ではもったいない!

信託報酬は運用の良しあしにかかわらず日々資産から差し引かれてしまうコストなので、長くお付き合いするファンドであるほど、日々のランニングコストは抑えたいポイントです。

もし同じような運用タイプで投資先や投資配分などにあまり違いがなければ、パッシブ運用の商品を選択するようにしたいですね。

長くつづけやすい、積み立て型

投資の方法にも長くつづけやすいヒントがありそうです。

それが、冒頭でも紹介した「つみたてNISA」や「iDeCo」。
どちらにも共通する投資方法が「積み立て型」です。

積み立て型は、一度にまとめて投資する一括型に比べ保有期間中の資産の増減が緩やかです。
その理由は、コツコツ積み立て投資するので買値が一定でないから。

積み立て型は毎月一定額を投資するので、ファンドの価格が上昇すると買値もじわじわ上昇し、価格が下落すると買値もじわじわ下がります。

つまりファンド値動きにそって、買値が上がったり下がったりするのです。

一方で、まとめてドン!と投資する一括型は、その後のファンドの値動きが運用成果にダイレクトに影響。なので、短期的には上がるか下がるかわからない運用の世界でハラハラドキドキしちゃいます。

資産の増減がいつも気になるようでは、長期投資になりませんね。

このように、投資信託を長くつづけるには一喜一憂しないことが大切なポイントです。

値動きの緩やかな運用タイプや投資方法を選んで、じっくり投資信託を保有できる人がもっと増えたらいいですね!

★2019年3月22日現在の情報です
(執筆 冨田 仁美

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