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iDeCoの運用って、いつまでできるの?

老後資産づくりの最適手段といわれるiDeCo。人生100年時代を安心して生きるためには、iDeCo資産の寿命も伸ばしたいですね。そのためにはできるだけ運用を長くつづけることが大事ですが、そもそも、iDeCoの運用っていつまでできるか知ってますか?

掛金を拠出できるのが60歳までだから、運用も60歳まで?
iDeCo資産の受給開始年齢の上限が70歳だから、運用も70歳まで?

iDeCoは、年金として受け取っている間も保有する商品で運用が継続するので、実はもっと長く運用できちゃうんです。

えっ?年金として受け取りはじめたら、iDeCo資産は現金化されるんじゃないの?

iDeCoは加入してから保有する資産を受け取り終えるまで、ラインナップの中の何れかの運用商品で資産を保有する仕組みです。そのため、年金を受け取っている間も資産を投資信託で保有していれば、受け取り終えるまで投資信託での運用が継続するんです。この点について知らない人も多いようです。

そこで今回は、意外と知られていないiDeCoの運用可能期間について詳しくお伝えします。

iDeCoの運用は、資産を受け取り終えるまで継続する

iDeCoの運用は、資産を受け取り終えるまで継続します。ここでは、加入してから資産を受け取り終えるまで3つの期間に分けて解説します。

① 加入後~60歳まで(※)
iDeCoに加入して拠出が始まると、指定した商品で積み立てた資産を運用します。運用する商品はラインナップの中から自由に選択し、同じ商品で運用を続けることも、途中で別の商品に資産を預け替えることもできます(スイッチング・資産配分の変更)。預け替えは何度でも可能で、運用益も非課税です。

② 60歳~70歳まで(※)
60歳到達時に通算加入者期間が10年以上ある人は、60歳になるとiDeCo資産の受給を開始できます。
(※) 2022年4月施行の確定拠出年金改正により、国民年金被保険者であれば65歳まで拠出可能になります。60歳以降もサラリーマンとして厚生年金に加入し仕事を続ける人や、国民年金の任意加入の人が該当。また受給開始年齢の上限も70歳から75歳まで引き上げられます。

受給の開始が可能になった時点で、iDeCo資産をどうするかの選択肢は主に次の3つです。

1:「一時金」の請求をする
一括でまとめて受け取る「一時金」請求をすると、保有するiDeCo資産は現金化され、運用は終了します。

2:「一時金」と「年金」の併給請求(※)をする
一時金の分だけ現金化され、分割して受け取る年金にあてる資産は、そのまま保有する商品で運用が継続します。この場合は「運用指図者」となり、これまで通り運用商品の変更もいつでも可能です。(※ 併給の取り扱いは運営管理機関により異なります)

3:60歳からすぐに受け取らず、しばらくiDeCo資産を保有する
iDeCo資産は70歳までに受け取りを開始すればよいので、60歳になってもすぐに受け取らず、運用指図者としてiDeCo資産の運用を継続します。受け取りは請求をすれば、前述の1または2の方法でいつでも開始できます。

③ 70歳以降の受け取り開始~受け取り終了まで
70歳を迎えるまで「一時金」や「年金」で受け取りをしなかった場合、70歳以降はいずれかの形でiDeCo資産の受け取りを開始しなければなりません。

「年金」として分割で受け取りたい場合は70歳を迎える前までに請求します。70歳になってしまうと「一時金」でしか受け取れませんので注意が必要です。年金受け取り期間は運営管理機関により異なりますが、5年・10年・15年・20年あるいは5年~20年で1年刻みの指定が一般的です。

たとえば、年金受取期間20年で70歳から受け取る場合、受け取り最終は90歳になります。その間、iDeCo資産は保有する商品で運用を継続しながら、分割し年金として支払われます。受け取りが進むとiDeCo資産はその分減っていきますが、最後の受け取りとなるおよそ90歳までは(※)運用は継続されることになります。(※残存保有資産がある限り)

年金を受け取っている間も運用するメリット・デメリット

90歳まで運用できちゃうことは、できるだけ長く運用を続けたいと思っている人には、運用益非課税の恩恵も長く受けられますので、メリットとなるでしょう。

一方で、できるだけ長く受け取りたいけど運用は続けたくない、という人もいらっしゃるかもしれません。その際は、資産を定期預金など値動きのない商品に移しておくと、運用による資産の目減りの心配がありません(ラインナップに定期預金がない運営管理機関もあるので注意)。

ちなみに、年金受け取り開始後も、残りの資産を投資信託から定期預金に預け替えるスイッチングは可能です。たとえば、60歳で年金受取開始して70歳くらいまでは投資信託で運用し、その後は定期預金に変えるなんてこともできるんです。

一方でデメリットもあるので注意が必要です。それは、年金受け取り中も色々コストがかかることです。

コストは最大3種類。保有する年金資産に対し口座管理手数料が毎月66円、保有する商品が投資信託の場合は信託報酬もかかります。また、年金で受け取る都度、給付事務手数料440円かかります。

年金資産が大きいうちは口座管理手数料の負担をあまり感じないかもしれませんが、受け取り後半になると資産額によっては負担感があるかもしれません。また、給付事務手数料は都度発生しますので、公的年金のように2ヶ月に1度の頻度で受け取ってしまうと手数料だけで年間2640円にもなります。これらのコストがあることも覚えておくとよいでしょう。

いつまで運用できるかを知っておくと老後のお金の計画に幅がでる

将来、iDeCo資産をどのように受け取るかは、加入の時点で決める必要はありません。受給可能年齢近くになった時に、その時の資産状況やライフプランをふまえiDeCo資産の具体的な受け取り方を決めればよいのです。

今回、iDeCoは70歳から20年間年金を受け取るとすれば、最長で90歳まで運用可能であることをお話しました。実際、このプランを活用するかどうかは別として、可能であることを知っておくと老後のお金の計画に幅が持てそうです。

現在50歳台で加入を迷われる人も、iDeCo資産の運用期間の長さを知ると、人生100年時代に向け、前向きに検討する要素となるのではないでしょうか。

⇒iDeCo大全集目次はこちら

★2020年10月5日現在の情報です
(執筆 冨田仁美
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