Read Article

不妊治療も仕事も諦めたくない!両立するためのヒントは?

健康保険が適用できる不妊治療の範囲が広がり、治療費を抑えつつ体外受精などにもチャレンジしやすくなりました!

※こちらの記事 「2022年4月から不妊治療の保険適用範囲が拡大!治療費の目安は?抑えるポイントは?」 もご覧ください

しかし、治療のステップが進むと、通院回数の多さや体調の変化などから、「仕事との両立の難しさ」に直面する方が増えるでしょう。

そこで今回は、不妊治療と仕事の両立についてのポイントをご紹介します!

不妊治療と仕事が両立できない人は3割!?

不妊治療と仕事の両立ができない方は珍しくありません。

厚生労働省の「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査事業(平成29年度)」によれば、不妊治療と仕事の両立ができずに「仕事を辞めた」「不妊治療を辞めた」「雇用形態を変えた」という人達を合わせると、なんと約3割以上になるのです!

不妊検査やタイミング法などの初期の不妊治療は、通院時間を確保するのは大変なものの、仕事との両立がそれほど難しいものではありません。しかし、人工授精や体外受精の治療を始めると、「排卵日に合わせて通院が必要で仕事を調整する必要がある」「薬による副作用で体調が悪化する」といったことがあります。

さらに、これほどの負担を乗り越えながら治療を続けても、「授かるか分からない」という精神面の負担があるのです。心身共に負担も小さくない不妊治療は、仕事と治療の両立で悩むのは自然なことといえるでしょう。

仕事を変えるなら、今後の総収入を見通そう

もし不妊治療のために働き方を変えようと思ったら、家計に与えるインパクトが大きいため、夫婦でよく話し合って、納得してから決断することが大切です。

「つらい」「とにかく今の状況を良くしよう」といった強い思いから、衝動的に仕事を辞めたり変えたりすることは、おすすめしません。なぜなら、年収が100万円下がるだけでも、長期間で考えると数千万円も変わることがあるからです。

例えば、今後30年間の年収も変わると想定すると、年収が100万円変われば、総額3,000万円もの違いになります。正社員からパートなどに変わると、違いはより大きなものとなります(次の表を参照)。もちろん、一度働き方を変えたからといって、今後もずっと収入が下がったままとは限りません。しかし、子どもを授かった後のことも考えると、すぐに収入を上げるのはハードルが高いことだと覚悟しておいたほうが良いでしょう。

収入が減れば、今の生活だけでなく、不妊治療にかけられる予算や、子どもを育てるときにかけられる教育費など、これからかかる支出にも影響します。仕事を変えることは家計にとって大きな判断となるため、1人で悩んで決めるのではなく、夫婦で真剣に話し合ったうえで決めましょう。

今後の家計状況を予想するためには、「キャッシュフロー表」が役立ちます。「専業主婦のままじゃダメ?将来の家計も参考にキャリアについて考えてみよう」の記事内で紹介しているので、良かったら試してくださいね!

不妊治療と仕事を両立するためのヒント

不妊治療費や今後の生活のことも考えると、不妊治療と仕事とを、うまく両立することを目指す方が多いのではないでしょうか。そこで、両立するためのヒントをご紹介します。

・通院しやすい病院を選ぶ
病院は、勤務時間の前や後、昼休みなどに行ける場所を選ぶのがおすすめです。例えば、早朝や夜間、土日診療のあるクリニックや、勤務先の近くや、通勤途中にあるクリニックを探してみましょう。

また、人気のクリニックは混みあっていて待ち時間が長引いたり、予約を取りづらかったりすることがあります。もし金銭的にゆとりがあるなら、保険診療には対応していない(=治療費が高い)けれど通いやすい病院を選ぶのも、ひとつの裏技といえるかもしれません。

・上司や同僚に相談してみる
休暇の取得や職場内で働き方を変えるためには、上司や同僚などに不妊治療をしていることを話すのも有効な手段の1つでしょう。

ただ、ご自身のプライバシーや職場での立ち位置を守るためには、伝える相手や伝える時期を選ぶことも大切です。なぜなら、伝えることで欠勤などに対しての理解は得やすくなるものの、「治療の報告を求められる」「責任のある仕事が任されなくなる」といったデメリットが生じることもあるからです。

仕事と治療の両立が難しく感じてきたら、まずは希望の働き方をしっかりと自問自答し、上司などに具体的に伝えられるようにすることがおすすめです。
もし上司や人事から理解が得られにくそうなときは、厚生労働省が推奨している「不妊治療連絡カード」を活用するのも良いですね!主治医などが記入する証明書となるため、業務を調整する必要性が伝わりやすいでしょう。
・勤務先の制度を調べて活用する
通院時に役立つ代表的な制度といえば、「年次有給制度」です。そのほかにも、勤務先に便利な制度があれば、積極的に活用しましょう。次のような制度が会社にあるかどうか、就業規則を調べたり、人事労務などの担当者に訊いてみてください。

時間単位で有給が取れたり、フレックスタイム制で時差出勤ができれば、通院頻度が多くなっても対応しやすくなりますね!また、もし一時的に不妊治療に専念したいときは、退職ではなく、まずは短時間勤務制度や休職制度を探して、利用できないか検討するのがおすすめです。

・思い切って転職を検討する
現在の仕事内容や職場環境によっては、どうしても両立が難しいこともあります。そのようなときは、妊活のタイミングで、転職を考えてみることもひとつの手です。

転職先を探すときの参考情報として、不妊治療と仕事との両立に取り組む企業を認定する「くるみんプラス」制度などがあります。「くるみんプラス」の認定を受けた企業では、「不妊治療のための休暇制度を設けている」「不妊治療のために半日又は時間単位の年次有給休暇ができる」などの制度を設けていることが条件となっているため、両立がしやすいことが期待できます。

納得して出した答えなら全部正解!

仕事と不妊治療の両立の仕方に、決まった正解はありません。後悔しない選択をするために最も大事なことは、「自分達が心から納得して決断すること」ではないでしょうか。そのためには、あくまでも筆者の主観にはなりますが、次の4つのポイントを押さえておきましょう!

<自分達が納得できる答えを出すための4つのポイント>
・衝動的な気持ちを優先して決断しない(特に落ち込んでいるとき)
・働き方について、夫婦で、納得できるまで話し合う
・お金についてのメリット・デメリットを冷静に判断できるよう、家計状況を確認する
・仕事もプライベート(家事や育児、治療など)も、完璧を求めすぎない

自分が納得できる答えを出せるよう、多くの体験談や情報はとても参考になるでしょう。しかし、どの記事にも「あなたにとっての正解」は載っていません。あくまでも、自分自身がどうなりたいのかを大切にして、決断してください!

この記事を読んだ皆さんが、納得できる道を選ぶことを、心から応援しています。

★2022年8月23日現在の情報です
(執筆:張替 愛

★働き方キャリア関連記事一覧はこちら★
みらいに役立つ無料メルマガ配信中
無料相談のお申し込みはこちら

※こちらの記事もおすすめです

 

 

COMMENT ON FACEBOOK

Return Top
G-PX859W0BJK