子育て中の保護者にとって、将来子どもが自立し、しっかりお金を稼げるようになって欲しいと願うのは自然なこと。子どもに「稼ぎ力」をつけるには、まずは稼げる人材になるための学校の勉強が大切なのは言うまでもありません。
そのうえで、稼ぐ対象であるお金について、日頃から正しい使い方を学び、労働以外にもお金を手に入れる方法があることを知る「金銭教育」は、稼ぎ力の向上に必要不可欠です。
とはいえ、学校での金銭教育はまだ始まったばかり。お金については家庭で伝えていく必要があります。そこで、子どもの稼ぎ力をUPさせるにはどんな金銭教育が効果的か、わが家の取り組みも交え3つのポイントでご紹介します。
■ポイント1:お金の話をオープンにしよう
家庭で金銭教育をスムーズに行うには、お金の話をオープンにできる環境づくりも大切な要素です。みなさんは、子どもと「お金」の話を日常的にできていますか?
「お金」は良いものでも悪いものでもありませんが、無意識のうちにマイナスイメージを持ってしまう方も多く、「お金」は家庭で話しづらいテーマの一つとも言われています。
しかし、「お金」は人が生きていく上でずっと付き合っていくもの。子どもに「稼ぎ力」をつけて欲しいと願うのであれば、「お金」について学ぶ機会が必要で、最適な学びの場は家庭です。
お買い物に行った際に、物の値段を一緒に確認してみたり、生活に必要な金額について、具体的に伝えていくことから始めてみましょう。普段から、お金の話を日常的にできる環境を作っておけば、改まって「教えよう」とかしこまらなくても、子どもは自然と学んでいきます。
■ポイント2:お金を使う経験を積ませよう
キャッシュレス化が進む現代の子ども達は、現金と引き換えにモノやサービスを受け取る姿を見る機会が少なく、「お金」そのものの存在がわかりにくくなっています。
そこで、わが家では「おこづかい制度」を活用しています。お金の存在を知るには、実際にお金を使ってみるのが効果的。おこづかいは小学生になってから渡し、使い道は本人の自由としています。
お小遣い帳をつけ、毎月親子でチェックするのがわが家のルールです。お小遣い帳の残高と実際の残高が合っているかを確認しながら、子どもが自ら「使いすぎたかな」と振り返ったり、親からアドバイスをすることも。
その経験から、
・お金は欲しいもの、必要なものと交換できる道具である
・モノにはそれぞれ値段がある
・お金が足りなければ、貯める必要がある
・プレゼントに使うと、自分も幸せになれる
・よく考えないで使うと、後で後悔する
ことを肌で感じているようです。
このように、実際にお金を使うことでお金の存在を身近に感じ、何かを手に入れるためにはお金が必要だと理解すると、「稼ぐ」ことを自然と意識できるようになるのではないでしょうか。
■ポイント3:お金を手に入れる方法を伝えよう
「お金を稼ぐ」というと、働いてお金を手にすることがまず浮かびますが、労働以外にもお金を手に入れる方法はいくつかあります。
たとえば、お金がお金を生むしくみや、世の中の賛同を得て寄付などでお金を集めるなど、知っておくと稼ぎ力があがる方法です。具体的に見ていきましょう。
<銀行や郵便局にお金を預けると利息がもらえる>
わが家では、おこづかい制度に慣れた頃、「パパ銀行への定期預金」制度を導入しました。預金をすれば利息がもらえることを経験するためです。
この制度は、祖父母からのおこづかいなど臨時収入でまとまったお金ができたとき「パパ銀行」に預けると、1ヶ月に1回利息がもらえるというものです。定期預金の位置づけなので、すぐには下ろせませんが、余剰のお金を預けるだけで利息がもらえ、月々のおこづかいの他に収入が得られることを体験できます。もちろん子どもは大喜びです。
<応援する会社などに投資をすると、配当金や利益が得られる>
日頃からパパやママの仕事や、世の中の働いている人の話を伝えましょう。小学生など大きくなったら、会社というのは、応援してくれる人からお金をいただいて色んな商品を作ったりサービスを提供しているんだよという話ができると良いですね。
投資には「リスク」がつきものなので、向き・不向きがあり、やらなければいけない訳ではありません。しかし、将来お金を得る選択肢を増やすためにも方法として知っておくことはとても重要です。
あまり「投資」に親しみのないご両親も、子どもと一緒に学べば親子の良い体験になるかもしれません。
<夢や活動を応援してもらい寄付でお金を集める>
コロナ禍で一気に広まった新しい資金調達法、クラウドファンディングです。ネット上で自分の夢や活動を発信し、共感を得ることでその活動資金を得ることができるものです。
まずは、応援する側の経験から始めてみませんか。子どもと一緒にどんな会社や活動を応援したいかを話しあったり、実際に寄付をしてみると、世の中の新しい仕組みを身近に感じられて良い体験になりますよ。
「稼ぎ力」の向上につながる金銭教育についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。冒頭でもお話したように、お金の教育については家庭での経験が非常に大きな役割を担っています。「学ぶはまねぶ」というように、子どもにとっての一番のお手本は両親です。おこづかい制度などを上手く活用しながら話し合う機会を設け、家族で「お金」や「稼ぐ」ことについて積極的に伝えていってあげてくださいね。
★2020年12月22日現在の情報です
(執筆 山本美紀)
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