育児休業期間中(以下、育休中)も条件を満たしていれば、育児休業給付金をもらいながら収入を得ることができることをご存じでしょうか?
在宅勤務や副業などさまざまな働き方ができるようになった今、育休中でもすき間時間で働くということは、そんなに難しい事ではありません。今回は、育休中に給付金をもらいながら働く方法についてご紹介致します。
育児休業給付金の支給条件は?
育児休業給付金とは、加入している雇用保険から育休中にもらえる給付金のことです。
給付金額は、以下の式で計算します。
育休開始から180日間⇒休業開始時賃金日額※×支給日数×67%
181日目以降⇒休業開始時賃金日額×支給日数×50%
※過去6か月のうち任意の3か月分の賃金を 90 で除して算定
この育児休業給付金をもらうためには、次の2つの条件を満たさなければなりません。
・育休中の就業日が月に10日以下または80時間以下
「育休中の賃金が通常の80%以下」とありますが、ここでの「賃金」とは、育休を取っている会社から支払われる賃金を指します。ですので、別の会社やフリーランスで仕事をする場合は、賃金を80%以下に抑える必要はありません。
「今の会社で仕事をする場合」と「別の会社やフリーランスで仕事をする場合」それぞれのケースに分けて、注意するポイントをお伝えします。
ケース別注意ポイント
<ケース1:育休を取っている会社で仕事をする場合>
育児休業給付金をもらうための条件
・育休中の就業日が月に10日以下または80時間以下
育休中に、育休を取っている会社から賃金をもらった場合、「育休中の賃金が通常の80%以下」であれば給付金をもらえます。また、仕事が「定期的な仕事」や「予定されている仕事」の場合、育休中にはあたらず育休手当はもらえなくなります。ですので、その仕事が「一時的」や「臨時的」なものであることも必要です。
育休中の賃金によって、どのくらい給付金が変わるかみてみましょう。
・支払われた賃金が休業開始時賃金月額の13%以下の場合
給付金を全額もらうことができます。
・支払われた賃金が休業開始時賃金月額の13%超~80%未満の場合
休業開始時賃金日額×支給日数×80%-賃金額をもらうことができます。
・支払われた賃金が休業開始時賃金月額の80%以上の場合
給付金は全く支給されません。
たとえば休業開始前賃金が月額25万円だったAさんの場合、賃金と給付金の合計額はどうなるのでしょうか。
給付金を満額もらうためには育休開始から180日間は3.25万円までしか働けませんが、181日目以降は7.5万円まで働くことができます。それ以上働いても合計は20万円と変わりませんので、そんなに細かくお給料の金額を把握する必要はないかもしれません。育休を取っている会社で少しでも働くことは、復職後のイメージがしやすくなるのではないでしょうか。
<ケース2:別の会社やフリーランスで仕事をする場合>
育児休業給付金をもらうための条件
まずは、今雇用されている会社で副業が認められていることが前提になりますので、会社の就業規則の確認が必要です。もし副業をしても問題ないようであれば、別の会社で働いたり、フリーランスとして働いたりすることが可能です。
この働き方で得た収入は、育休を与えている会社からの賃金の支払いではないので、いくら稼いだとしても給付金は減額されません。極端な話、月に16.75万円の給付金をもらいながら、20万円の収入を得ることも問題ないのです。ただし、「育休中の就業日が月に10日以下または80時間以下」という条件は育児休業給付金申請書にも記載する必要があるため、守らなくてはいけません。
例えば、クラウドワークスを利用して、執筆やWebデザインの仕事をしてみたり、趣味のハンドメイド作品をネットで販売してみたりと、赤ちゃんが寝ているちょっとした時間を使って副業を始めることも可能です。
また、家族が赤ちゃんの面倒を見てくれる日に、週に1回、アルバイトをするということもできるのです。慣れない育児の息抜きにもなるかもしれません。
育休中は今後のキャリアを考える良い機会
いかがだったでしょうか。育児休業給付金をもらいながら働くことができるとおわかりいただけたと思います。
せっかくの育休中だから、仕事のことは忘れて育児に専念するのもありでしょう。しかし、育休終了後のワーママ生活は想像以上に慌ただしい毎日が続き、ゆっくりと自身のキャリアについて考える時間を持てないのが現実です。
育休中に働くことは、復職後どのくらいのペースで働いたらよいのかを考えるきっかけになったり、自分がやりたかった仕事にチャレンジできたりと今後のキャリアに大きな影響を与えてくれるはずです!育休は育児のために休むものという固定観念にとらわれず、自分らしい育休を過ごしてみるのはいかがでしょうか。
★2023年3月3日現在の情報です
(執筆:渡部 ナオコ)
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