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第3話 明るい未来につながる「良いお金の習慣」の育み方(後編/実践編) 【マネー教育最先端のイギリスに住んでわかった「日本に足りないお金の教育」】


前回のコラムでは、将来の経済的な安定にもつながる「良いお金の習慣」を育むための家庭の役割についてお伝えしました。

第2話 明るい未来につながる「良いお金の習慣」の育み方(前編/概要編) 【マネー教育最先端のイギリスに住んでわかった「日本に足りないお金の教育」】

今回は、家庭でできる「良いお金の習慣」づくりのための実践的なアイデアをご紹介します。発達段階に応じた目安を参考にして、ぜひ親子で一緒に楽しく取り組んでみましょう。

お金の習慣づくりには、日常の出来事を最大限に活用する!

第2話でもお伝えしたとおり、子どもが習慣を身につけるのに最適な環境は「家庭」です。

「家庭」が最適な主な理由は、次のとおりです。
・日々の生活の中でお金について考えたり使ったりする場面がある
・子どもの興味や理解度に合わせて、マネー教育を進められる
・お金に関する間違いや失敗を学びに変えられる安心で安全な環境がある

では、お金にまつわる日常的な出来事には、どのようなものがあるでしょうか。
・スーパーやコンビニでの買い物
・バスや電車などにかかる交通費
・レストランやカフェでの外食
・インターネットでの買い物
・光熱費や水道代など

上記はほんの一例ですが、このようなお金を支払う場面がすべて、子どもにお金について考えさせる機会につながります。

スーパーでの買い物やバス代など、子どもの目の前でお金を支払う場面もあれば、光熱費など口座引き落としにより子どもの目に触れる機会がないものもあります。こういった場合は、「電気代のお知らせ」などを見せて、目に見えないところでもお金が動いていることを話すのもよいですね。

日々繰り返していくことで、家計管理への関心も高まり、予算を意識したり、無駄な支出を減らすように励んだりと、家計への理解が深まります。そして生活に直結した生きた力としてお金の習慣が身につくようになるのです

「良いお金の習慣」づくりに最適な「毎日の買い物」

生活の中でお金を使う場面はたくさんありますが、特にスーパーやコンビニエンスストアなどでの買い物は「良いお金の習慣」を身につける練習の場として最適です。

食料品の買い物は、身近で日常的なので「お金の勉強だから!」と親も気負わずにすみます。子どもにとっても「食べること」は生きる上で必要なため、小さな子どもでもその重要性を理解しやすく、自然と会話が広がります。

子どもが頻繁に関わることができる買い物には、習慣づくりに最適な環境が整っています。スーパーでの買い物を「良いお金の習慣」づくりにどう活用するか、いくつかのアイデアをご紹介します。

発達段階を順にみていくと、3歳ごろからお金の概念を理解するようになり、6歳ごろまでには見聞きしながら、お金のスキルを身につけはじめます。7歳ごろからはお金の理解が深まり、計画や予算を立てたり、失敗や後悔などから学べるようになります。このように、子どもの年齢や理解度に合わせて、これらのアイデアを取り入れていくことをおすすめします。

小さな子どもでも、大好きなママやパパと一緒に取り組むと、楽しんで学べます。温かく見守りながら、少しずつできることを増やしていくイメージです。繰り返し行うことで、徐々に一人で考え、行動し、理解できる範囲も広がっていきます。

そして、この時にぜひ一緒にやっていただきたいのが、ご家庭で大切にしている商品選びのこだわりや価値観を、子どもに話して共有することです。

たとえば、「この野菜はどこで採れたのかな?できるだけ近くで採れた新鮮なものを買うようにしているよ」や「自分たちで食べるだけだから個包装のお菓子でなく、ゴミも減らせるからこっちを選ぶよ」などです。産地からの距離や環境に配慮した商品を選んだり、同じ物でも値段が違う理由などを一緒に考えるのも良いでしょう。マネー教育で大切な「社会の一員として自分の選択に意味がある」ことを意識するきっかけ作りにもなります。

ちなみに、4歳の頃からショッピングリストを一緒に作っていた娘は現在7歳ですが、最近ではお店で消費期限や価格を見ながら商品を選ぶようになりました。そして、親の衝動買いも「リストにないからね」とストップしてくれます(笑)。時間はかかりますが、少しずつ「良いお金の習慣」がスキルとして身についていることを実感しています。

まとめ

「良いお金の習慣」を身につけるためには、難しいことをする必要はありません。日々の生活を通して、親子で一緒に取り組むことができます。今日から、日々の買い物に子どものお金の学びの機会を意識して取り入れてみましょう。

★2024年5月28日現在の情報です
(執筆:原田幸子

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※これまでの連載【お小遣いで育てる子どもの未来】
全22話はこちらからお読みいただけます。

第1話:FP原田幸子の3歳の娘とはじめた「お小遣い」
第2話:0歳から始められるお金の教育
第3話:お小遣いは、いつから始める?定額制?それとも報酬制?
第4話:子どものお小遣い、定額制であげるなら、いくらがいいの?
第5話:お小遣いの金額、報酬制の場合は、どう決める?わが家の事例紹介
第6話:親子で話し合う「お小遣い会議」のススメ
第7話:お小遣いの約束を「お小遣い契約書」にまとめよう
第8話:「お小遣い帳」をつけてお金の流れを確認しよう
第9話:小さい子どもがお小遣い帳以外でできる、お金の管理法
第10話:やりくり力が育つ魔法の貯金箱、作ってみませんか?
第11話:上手にお金を使えるようになる「お買い物」トレーニングのすすめ
第12話:実践「お買い物体験」でトレーニング
第13話:ワクワク未来のために「お金を貯める力」を育む
第14話:「人のために使うお金」で豊かな心を育む
第15話:安易に「お金を借りる」を選ばないために~教えたい3つのこと~ 
第16話:自分でお金を払ってみたくなる!3つの練習法とは
第17話:親子でキャッシュレス体験をしてみよう
第18話:小学生になったら交通系ICカードでキャッシュレスのお勉強
第19話:お小遣いをキャッシュレスにするなら、親子でルールを決めよう
第20話:親子で防ぐゲーム課金トラブル
第21話:お年玉はお金の使い方を学ぶ絶好のチャンス!
第22話:5歳児のお小遣い、1年の成長を振り返る

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