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お年玉はお金の使い方を学ぶ絶好のチャンス!【お小遣いで育てる子どもの未来】


師走に入り、そろそろお年玉について考え始める頃ではないでしょうか。「お年玉はいくらにしようか」「貯蓄させた方がいいのかな」「無駄づかいが心配だな」など、何かと気になりますよね。

そこで今回は、お年玉を「お金の使い方」の学びの機会にする方法についてお伝えします。

お年玉の相

お年玉いくらあげる?

大人が子どもにあげるお年玉の金額はどのくらいでしょうか。住信SBIネット銀行(2020年12月22日公表)の「お年玉に関する意識調査2021」によると、年齢があがるにつれ、金額が増えていることが分かります。

小学生未満は「1,000円以下」、小学校低学年は「1,001円~3,000円」、小学校高学年だと「3,001円~5,000円」、そして中学生以上になると「5,001円~10,000円」が最多となっています

お年玉の受け取り総額はいくら?

それでは、子どもが受け取っているお年玉の総額はいくらでしょうか。

金融広報中央委員会「子どものくらしとお金に関する調査(第3回)2015年度」によると、小学校低学年が受け取る総額は「10,000円くらい」、小学校中学年・高学年は「10,000円~19,999円」、中学生・高校生では「10,000円~50,000円未満」が最多となっています。

この調査からも、子どもはお年玉で万単位の大金を手にしていることがわかります。

お年玉でお金の使い方を学ぼう

普段はお小遣いをもらっていなくても、お年玉をもらう子どもは多いと思います。一度にまとまったお金が入ってくるお年玉は、お金の使い方を学べる絶好の機会です。
お正月休みの間に、親子でお金について考える時間を作ってみてはいかがでしょうか。

感謝の気持ちを伝えよう

まず大事なことは、お年玉をくださった相手に対して「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えることです。

お金は、何もせずに手に入るものではありません。子どもが受け取るお年玉は、お年玉をくださった人が働いて稼いだお金やそれを貯めてきたものです。親子で一緒に中身を確認し、どこから来たお金であるか、しっかりと伝えてあげてください。

お金の使い道を考えよう

子どもは、受け取ったお年玉をどうしているのでしょうか。

先ほどの調査によると、小学生では「銀行や郵便局などに貯蓄する」「家の人に渡す」が多く、中学生・高校生になると「おこづかいで足りないものを買う」という回答が最も多くなっています。

小学生は、お年玉で買い物をするというよりも、使わずに、預けたり自分で持ったままでいる場合が多いようです。


お年玉は、子どもが受け取るお金なので、使い道は子どもに決めさせましょう。

親が「預かっておくね」と強引に取り上げたり、欲しい物を買わせずに「全額貯蓄しなさい」と決めてしまうと、せっかくの子どもの好奇心や考える時間、お金の使い方を学ぶ機会を奪ってしまいます。そして何よりも、お年玉やお金をたくさん持つことに対して、良い印象を持てなくなってしまうかもしれません。

ぜひ2022年のお年玉では、「何をしたいか考えてみよう!」と声をかけてあげてください。

小さい子どもの場合は、お金の使い道をイメージすることが難しいと思います。実際にお店で商品を見たり、値段を調べながら、親子でウキウキ、ワクワクするようなお金の使い道を一緒に考えてみてはいかがでしょうか。

欲しい物や挑戦してみたいことを考えている時の期待感、いつもより支払う金額が高めの時の緊張感、目的を達成した満足感など、子どもは様々な心の動きを感じるはずです。

また、「目的のためにお金を貯めたい」「使い切れなかったお金を預けたい」という場合は、子ども名義の通帳を子どもと一緒に作り、自分で入金させてみましょう。お年玉で、心豊かになる経験ができるだけでなく、やりくり力や忍耐力、継続力を育むこともできるでしょう。

お金の出入りを管理しよう

大金を手にすると、お金持ちになったと錯覚し気も大きくなりがちです。また、金額が大きすぎて、お金がいくらあるのかも把握しづらくなります。そのため、お金の出入りをお小遣い帳に記録することをおすすめします。

いくらもらって、いくら使ったかのお金の動きを記録しておくと、自分のお金の使い方を振り返り、満足度も確認しやすくなります。

家庭でのお金のルールを決める

お小遣いでお金を管理する習慣があれば、お年玉の使い道や管理を全て子どもに任せてみましょう。しかし、お小遣いの経験が少ない場合には、お金の紛失やトラブルを避けるために、次のようなルールを親子で一緒に決めておくと、安心してお金を使う練習ができます。

・〇〇円以上の大金は、財布に入れて持ち歩かない
・友達に、お菓子やジュースをおごったり、お金をあげたり、貸したりしてはいけない

わが家のお年玉エピソード

わが家でも、お年玉を活用したお金の学びの機会を作っています。

お年玉をいただいたら、自分から感謝の気持ちを伝えられるようになりました。また、子ども名義の口座に、娘自身が銀行窓口やATMから入金する練習をしています。お小遣いをはじめてからは、お年玉の入出金をお小遣い帳に記録するようにしました。

2021年のお年玉では、4歳児には大金の千円だけを財布に入れ、初めてのお店で、事前に予算も買う物も決めない完全フリースタイルの買い物に初挑戦しました。魅力的なおもちゃを前に興奮したり、お金が足りるのか何度も確認したりと、いつも以上にドキドキ、ワクワク、ソワソワと気分が落ち着かない様子でした。30分以上悩んだ末、330円のおもちゃを1点だけ購入し、その後、通い慣れた100円ショップで数点の買い物を、残金はお小遣いの貯金箱に入れていました。

娘は「自分のお年玉で好きなおもちゃを選んで買えた!」と、とても満足度が高く、楽しい買い物となったようです。筆者は、娘の決定に余計な口出しをしないように気を付けながらも、性格が表れるお金の使い方を観察できて楽しかったです。

子どもの夢の実現を助けてくれるお年玉。
新しい1年のはじまりに、お金の使い道をよく考え、楽しくお金の使い方を学べる機会にできると良いですね。

次回は、2021年のわが家の娘とのお金の学びを振り返りたいと思います。どうぞお楽しみに!

 

★2021年12月8日現在の情報です
(執筆:原田幸子

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※連載【お小遣いで育てる子どもの未来】全22話はこちらからどうぞ。
第1話:FP原田幸子の3歳の娘とはじめた「お小遣い」
第2話:0歳から始められるお金の教育
第3話:お小遣いは、いつから始める?定額制?それとも報酬制?
第4話:子どものお小遣い、定額制であげるなら、いくらがいいの?
第5話:お小遣いの金額、報酬制の場合は、どう決める?わが家の事例紹介
第6話:親子で話し合う「お小遣い会議」のススメ
第7話:お小遣いの約束を「お小遣い契約書」にまとめよう
第8話:「お小遣い帳」をつけてお金の流れを確認しよう
第9話:小さい子どもがお小遣い帳以外でできる、お金の管理法
第10話:やりくり力が育つ魔法の貯金箱、作ってみませんか?
第11話:上手にお金を使えるようになる「お買い物」トレーニングのすすめ
第12話:実践「お買い物体験」でトレーニング
第13話:ワクワク未来のために「お金を貯める力」を育む
第14話:「人のために使うお金」で豊かな心を育む
第15話:安易に「お金を借りる」を選ばないために~教えたい3つのこと~ 
第16話:自分でお金を払ってみたくなる!3つの練習法とは
第17話:親子でキャッシュレス体験をしてみよう
第18話:小学生になったら交通系ICカードでキャッシュレスのお勉強
第19話:お小遣いをキャッシュレスにするなら、親子でルールを決めよう
第20話:親子で防ぐゲーム課金トラブル
第21話:お年玉はお金の使い方を学ぶ絶好のチャンス!
第22話:5歳児のお小遣い、1年の成長を振り返る

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